連日、新型コロナウイルスの報道が続いています。
世間ではマスクも手に入らないどころか、トイレットペーパーまで品切れになるという事態になっていますね。情報化社会の現代において、正しい情報を正しく理解し、正しく怖がることはとても難しいですね。
院長の3月の月報「聴診器」にもありましたように、当院は循環器内科クリニックであり、来院される患者様は心疾患を持った高齢患者様が多いクリニックです。いわゆる、重症化するリスクの高い患者様が毎日多く来院されます。
そこで、当院では、市中感染の可能性が出てきた当初より、大げさなくらいの新型コロナウイルスへの感染対策を行っています。
具体的には以下のようなことです。
・診察では一人の患者様の診察終了ごとにスタッフは手指の消毒を行います。
・診察室内の椅子やドアノブ、診察器具を患者様が入れ替わるごとに消毒します。
・スタッフはマスクとゴーグルを着用して対応します。さらに、受付スタッフは、患者様との会話の頻度が高いことから、キャップも装着します。
・感冒症状(咳・くしゃみ・鼻水・嘔吐・下痢など)のある患者様には待合室内の、仕切られた別の空間でお待ちいただいています。
・感冒症状のある患者様の診察時には、窓を開けて換気を行いながら診察します。
・ウイルスを媒介する恐れがあるので、待合室の新聞や雑誌を撤去しました。
・心臓リハビリテーションをしばらくの間、中止することにしました。
さらに、発熱のある患者様へのは次のような対応をしています。
・車で来院された方は、車内から電話で受付をしていただき、車内で待機していただきます。
車以外で来院された方は、病院へ入る前にインターホンを押してもらい、別室へ案内させていただきます。
・看護師が電話で問診を行い、別室へご案内します。そのまま別室で医師の診察や検査を受けていただきます。
・医師や看護師は、防護服・ゴーグル・キャップを着用の上、診察や検査を行います。
・お会計や薬の受け取りも別室に入ったまま行います。
通常の診療時間内に発熱のある患者様も、このような体制で診察しています。防護服の着脱や手指の消毒にもそれなりに時間を要しますので、他の患者様の待ち時間が長くなることがあります。
また、コロナウイルス感染者として疑われることを快く思わない方もいらっしゃるかと思いますが、当院の特性上、患者様を守るために致し方のないことなので、ご理解いただければと思います。
少しでも、感染を広げないようにするために、患者の皆様にお願いしたいことがあります。
1、咳やくしゃみ、喉の痛みなどの感冒症状があっても、症状の軽い方は、出来るだけ自宅で様子を見てください。
風邪に予防薬や治療薬もありません。念のための受診は控えてください。
厚生労働省が示している受診の目安は以下の通りです。
☆風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く時(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です)
☆ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある時
☆ 高齢者 ・ 糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD 等)の基礎疾患がある方や透析を受けている方、
免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方 は、上記のような症状が2日以上続く時
2、感冒症状のある方は、常にマスクを着用してください。
3、手洗いはこまめに、丁寧に行ってください。
4、指で鼻を触ったり、すすったりしないでください。目をこすったりするのもやめましょう。
お金や紙を数えるとき・紙をめくるとき、唾をつけないでください。
5、咳エチケットを徹底しましょう。マスクを着用していない状態で咳やくしゃみが出てしまう時は、手で覆わずに、腕やハンカチで押さえてください。
コロナウイルスはもちろんですが、このような感染対策は、一般的な風邪やインフルエンザ、他の普通の肺炎の予防にもつながります。これをいい機会と考え、感染予防の知識と技術を身に着けたいですね。
上野循環器科内科医院 看護師