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聴診器

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月報 「聴診器」 2004/11

月報 「聴診器」 2004/11/1

暑かった夏が、うそのように冷え込んできましたね。今の時期は、温度変化に体がついていけなくて、体調を崩しがちです。朝、晩はしっかり着込んで対応をしてください。

 

2.狭心症④ 不安定狭心症

狭心症は、心臓の栄養血管(冠動脈)が狭くなると起こる病気です。しかし、この段階で治療ができれば予後はそれほど悪くない疾患です。しかし、血管の狭いところが詰まってしまうと大変です。心筋梗塞という病気になってしまいます。心筋梗塞は、以前は急性期の死亡率が30%といわれていた、怖い病気です。治療法が進んだいまでも、死亡率は10%近くあります。また、急性期を乗り切っても、さまざまな合併症のため予後が厳しい疾患でもあります。すべての狭心症が、すぐに心筋梗塞を発症するものではありません。しかし、「不安定狭心症」のときには、すぐに心筋梗塞を発症する恐れがあり、緊急の治療が必要となります。

血管が狭いだけでは心筋梗塞は発症しません。しかし、その狭いところに血液が固まって詰まってしまうと心筋梗塞を起こします。この、血液の固まりを血栓といいます。血栓が心筋梗塞の発症に深くかかわっているのです。血栓が完全に血管をふさいでしまう前に、血栓ができたり、流れたりしている状態があります。この状態が、不安定狭心症です。

不安定狭心症の症状は①新規発症の労作時の胸痛、②増悪する胸痛、③安静時胸痛といわれています。「新規発症の労作時の胸痛」は、今までさほど狭くなかった血管に、血栓ができたため、急に血管が狭くなり出現します。「増悪する胸痛」は、狭かった血管に血栓ができて、血流が急に低下したために出現します。「安静時の胸痛」は血栓がいよいよ血管に詰まりかかっているときに出現します。血栓が一時的に血管に詰まったときには、安静時でも胸痛が出現するのです。この状態になれば、胸が痛くないときでも、心電図変化が見られたり、心臓の動きが悪くなったりします。ただし、血管が痙攣して起こるタイプの狭心症も安静時に胸痛がありますが、これは不安定狭心症には分類しません。

典型的な場合を見てみます。「73歳の男の人。タバコを一日20本。高血圧で治療中。一ヶ月前から、自宅前の坂道を登ると、胸が締め付けられるようになってきました。最近は、坂道の途中で胸が苦しくなり、2-3回休むようになってきました。さらに、今日の朝、布団の中で、胸が10分ほど苦しくなり、冷や汗を伴った。」これは非常に危ないケースです。すぐに、本格的な治療を開始したほうがよい状態です。

皆さんも、気になる症状があれば、すぐに受診してください。もし、日曜日や夜間ならば、急患センターなどを利用してください。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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