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聴診器

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月報 「聴診器」 2008/ 4

月報 「聴診器」 2008/ 4/1

 

やっと春ですね。暖かくなったかと油断すると、また寒くなったりでかえって体調が悪い人が多くなったような気がします。人の移動も多くなり、何かと落ち着かない時期ですね。

 

9 糖尿病① 糖尿病とは?

さて、今回からは糖尿病について説明していきましょう。「循環器なのに、なぜ糖尿病の話?」と疑問に思われる方も多いかもしれませんが、循環器医にとっては無視できない病気の一つです。心筋梗塞や狭心症などの病気は、動脈硬化の進行によって発症しますが、糖尿病は動脈硬化を進行させる原因の一つなのです。

糖尿病とは、読んで字のごとく「尿に糖が出てくる病気」のことです。この病気の存在は古くから知られており、西洋では紀元前のギリシャで、蜜のような尿が多量にでる病気として記録されています。日本では、「消渇病」と呼ばれており、藤原道長がこの病気であったと「大鏡」に記録されています。なお、藤原道長は糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症と皮膚感染症があったようです。近代では夏目漱石も有名ですね。

糖尿病は、昔は珍しい病気だったようです。今のように糖尿病の患者さんが増えたのはごく最近のことのようで、昭和初期までは数千人に一人程度の珍しい病気だったようです。ところが、最近の統計では、日本には約1200万人の患者さんがいるそうです。10人に一人が糖尿病という状態です。まさに、現代の国民病です。

糖尿病は血糖値が高くなり、その結果として尿中に糖が出てくる病気です。尿量が増え、疲れやすくなり、感染症に弱くなります。あまりにも血糖が高い場合は倒れることもあります。しかし、初期の段階で症状が出る人はそれほど多くはありません。怖いのは合併症です。高い血糖が続くと全身の血管に動脈硬化が進んできます。目の動脈硬化が進めば、目が見えなくなります。腎臓の血管に障害が起これば、尿が出なくなり、人工透析が必要になります。心臓の血管の動脈硬化が進めば狭心症や心筋梗塞になります。脳の血管に動脈硬化が起これば、脳梗塞となります。糖尿病による、失明や人工透析、寝たきり患者さんは激増しており、医療費高騰の原因となっているともいわれ、社会問題化しています。このため、国も糖尿病発症予防を「健康日本21」という国家プロジェクトをスタートし、健全な生活習慣をするように勧めています。

糖尿病は大きく3種類あります。膵臓からインスリンが出なくなるために血糖値が上がる「I型糖尿病」。膵臓からインスリンは出てはいるが、相対的に量が少なかったり、インスリンが効きにくくなっているために血糖値が高くなる「II型糖尿病」。薬や腫瘍のために血糖値が上昇して起こる「続発性糖尿病」。このうち、食生活の乱れや運動不足によって引き起こされるのはII型糖尿病です。I型糖尿病や続発性糖尿病は、珍しい病気ですが、健全な生活習慣をしていても発症してしまいます。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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