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聴診器

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月報 「聴診器」 2008/8

月報 「聴診器」 2008/8/1

 

暑いですね。もう、一ヶ月ぐらい雨が降っていない気がします。水不足は大丈夫なんでしょうか。

 

9 糖尿病④ 糖尿病の治療

今回からは糖尿病の治療について説明します。ただし、I型糖尿病は原則的にインスリン治療が第一選択なので、II型糖尿病の治療についての説明になります。

糖尿病治療目標は高血糖の改善です。このために、食事療法、運動療法、薬物療法があり、薬物療法の中に経口薬治療とインスリン治療があります。これらの治療法を組み合わせながら、血糖を正常化していきますが、血糖値正常化には3つの数値目標があります。①空腹時血糖120mg/dl以下、②食後最高血糖値 180mg/dl以下、③HbA1c 6.4%以下となっています。これらの数値目標は、高血糖の先にある合併症の予防を目指して設定されました。糖尿病患者さんの経過を長年観察すると、上記の目標が達成できている人と達成できていない人の間で、合併症の発症率が大きく異なったのです。つまり、数値目標よりも血糖値が高い場合は、失明や人工透析導入、脳梗塞の発症などが多く、寿命も短くなります。

食事療法はすべての患者さんで基本となる治療です。II型糖尿病は摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回るために発症します。まずは、このアンバランスを改善することが大切です。本来必要な摂取カロリーは、その人の身長と活動性から算出します。基本的に体重は無関係です。太った人でも、やせた人でも身長と活動性が一緒ならば、必要なカロリーは同じと考えるのです。

運動療法は、運動にてカロリー消費を促すものです。しかし、運動だけで多量のカロリーを消費するのは大変です。例えば、100kclを消費するためには30分は 歩かなければいけません。アイスクリーム1カップ、200kcalを食べたら1時間歩かなくては消費できない計算になります。運動療法は、食事療法をしながら行うべきです。よく、「沢山運動したから、好きなだけ食べていいと思った」との話を聞きますが、運動療法が食事療法をしないことの言い訳にはならないことはよくわかっておいてください。ただし、消費カロリーが十分確保できなくても運動療法には意味があります。運動をすることで基礎代謝が上がり心肺機能の向上が得られます。また、インスリン抵抗性を改善することで、インスリンが効きやすい体に変えることができます。運動療法は、一回30分以上、一日2回、週3日以上が望ましいとされています。僕はそこまで出来なくても、「何もしないよりはマシ」と、ちょっとでも良いから体を動かすようにしたほうがよいと思います。

薬物療法は生活習慣の改善でも治療効果が見られない場合や、緊急処置が必要な場合に行われます。薬物療法は即効性があり、効果も確実です。しかし、低血糖を起こしたり、空腹になったり、肥満になったりします。合併症の予防を考えても食事療法に勝る治療はなく、薬物治療は必要最小限で行うべきだと思います。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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