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聴診器

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月報 「聴診器」 2009/06

月報 「聴診器」 2009/06/01

 

新型インフルエンザ騒動は少しずつ落ち着いてきているようですね。宗像でも保健所を中心とした取り組みを行っています。6月5日は発熱外来の当番なので早めに、閉めさせてもらいます。ご面倒をおかけしますが、ご理解をお願いします。

 

10 脂質異常症⑥  薬物療法

今回は、脂質異常症の薬物療法について説明します。

  1. スタチン系スタチンには皮疹や肝障害といった一般的な副作用以外に「横紋筋融解症」という特有の副作用があります。手足の筋肉が壊れて、全身がだるいような痛みが出てきます。重症の場合には尿が赤黒くなります。採血検査ではCPKという筋肉に含まれる酵素が異常に高くなります。発生率は1000人に一人程度とかなり低いのですが、重篤な副作用なので定期的に採血検査をして早期発見に努めています。
  2. なお、世界初のスタチンは日本人の遠藤先生が開発しています。医学の進歩に著しい功績があり、毎年のようにノーベル賞の候補になっています。
  3.  高コレステロール血症に対して使用する薬です。クレストール、リピトール、メバロチンなどがスタチン系の薬です。スタチンは肝臓でのコレステロールの合成を邪魔する薬です。悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増やす働きがあります。高コレステロール血症の人にスタチンを投与すると、心筋梗塞の発症を半分程度に抑えられます。また、心筋梗塞を起こした人にスタチンを投与すると寿命を延ばすことが分かっています。
  4. フィブラート系副作用はやはり「横紋筋融解症」が特徴的です。特に、スタチンと併用すると横紋筋融解症が発生しやすくなります。
  5. 中性脂肪を下げる薬です。ベザトールやリピディルがこれにあたります。中性脂肪を下げると同時にHDLコレステロールを増やします。動脈硬化の進行を遅らせる働きがあり、スタチンと同じように予後を改善します。
  6. エゼチマイブ、コレスチラミン重篤なものではありませんが、便秘や吐き気といった消化器症状の副作用が多いのが特徴です。 上野循環器科・内科医院  上野一弘
  7. コレステロールを下げる薬です。肝臓はコレステロールを合成しますが、一部のコレステロールは胆汁から十二指腸に分泌され、さらに肝臓に再吸収されます。エゼチマイブやコレスチラミンは腸管で働いてコレステロールの再吸収を抑制します。効果は弱めで、スタチンほどコレステロールは下がりません。予後の改善効果も十分には検討されていません。スタチンで副作用が出た場合や、効果が不十分な場合に使用されます。

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