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聴診器

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月報 「聴診器」 2010/10

月報 「聴診器」 2010/10/01

急に涼しくなりました。当初は10月まで暑いといわれていましたが、すごしやすくなってよかったですね。今年の夏は、観測史上に残る猛暑だったそうです。熱中症だけでなく、脱水のため脳梗塞や腎結石も多発した印象でした。

 

13 検査 ②血液検査 特殊検査

前回は一般的に行う血液検査について説明しました。今回はあまり一般的でない血液検査について説明します。

・甲状腺機能検査は比較的行うことの多い検査です。甲状腺は喉のところにある臓器で甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは体の元気を出すためのホルモンで、足りなくなれば元気がなくなり、むくみが出てきます。甲状腺ホルモンが多すぎると、動悸がしたり痩せたりします。甲状腺の検査ではTSHとf-T4を測定します。TSHは甲状腺刺激ホルモンのことで、f-T4は甲状腺ホルモンのことです。甲状腺ホルモンが低下すれば、TSHが高値になり、f-T4が低値になります。

・心筋梗塞の時にはヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)やトロポニン、CPKは高値になります。これらの物質は心筋に豊富に存在し、心筋梗塞では心臓の筋肉が壊れて溶けだし、血液中に多くなるためです。これを測定することで、心筋梗塞の診断がつきます。H-FABPはこの中でも一番早く反応するので、当院でも急性心筋梗塞の診断に使用しています。

・BNPは心不全の状態を表します。正常は20以下ですが、高血圧があれば40-80程度にはあがります。BNPが100を超えれば、心不全として治療を行います。

・高血圧の大部分は本態性高血圧で体質的なものです。しかし、少数ながら二次性高血圧も存在します。若年性高血圧や重症高血圧で、二次性高血圧を疑う時は、レニン活性、アルドステロン、ドーパミン、アドレナリンなどを測定します。これらは血圧を上げるホルモンです。これらのホルモンを分泌する腫瘍があると血圧が上昇します。

・心房細動や人工弁を入れているときにはワーファリンを服用して血栓の予防を行います。ワーファリンは人によって効き方がまちまちなので、採血をして「血栓の出来にくさ」を測定します。PT-INRを測定しますが、これは正常の人に比べて何倍ぐらい血が固まりにくいかを表します。心房細動ではPT-INRは2.0前後を目標とします。弁置換術後ではPT-INR 2.5-3.0程度を目指します。D-ダイマーは血栓が少し溶けるときに出てくる物質です。D-ダイマーの上昇は血栓の存在を示します。肺塞栓や深部静脈血栓症で上昇します。

・膠原病は自分の免疫が自分自身の臓器を攻撃して引き起こされる病気です。膠原病の検査では自己抗体を測定します。代表的な自己抗体は坑核抗体です。坑核抗体には坑DS-DNA抗体や坑セントメア抗体など多くの種類があります。坑核抗体のほかにも、ANCA抗体や坑Jo-1抗体などの自己抗体があります。ただし、自己抗体があるから必ずしも膠原病とは限りません。診断は臨床症状やその他の検査所見を総合して行われます。

・CEA, CA19-9, PSA, SCCなどは腫瘍マーカーと呼ばれます。がんによって高値になります。ただし、腫瘍マーカーが高ければ必ずがんがあるわけではありませんし、がんだから必ず腫瘍マーカーが高いわけではありません。「腫瘍マーカーが高ければ、がんの可能性がある。」程度に思ってください。                     上野循環器科・内科医院  上野一弘

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