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聴診器

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月報 「聴診器」 2011/03

月報 「聴診器」 2011/03/01

少しずつ暖かくなってきました。それにしても、今年の冬は寒かったですね。インフルエンザもはやりましたが、他の感染症との重複感染も見られ、いつもとは少し違った印象でした。気候がよくなって体調も安定するとよいですね。

 

13 検査 ⑤超音波検査:頚部血管エコー、血管エコー

当院で心エコーと同じぐらい多く行っているのは頚部血管エコーだと思います。高コレステロール血症、高血圧、糖尿病、喫煙などは動脈硬化を進行させ心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。ただし、患者さん自身の動脈硬化になりやすさはまちまちです。同じような血圧や血糖値でも動脈硬化が進んでいる人もいればそうでない人もいます。これは、遺伝的要因で決まっているようです。しかし、ある人の動脈硬化が進行しやすいタイプなのかそうではないのかは、心筋梗塞や脳梗塞を発症するまで分かりません。そこで、頸動脈をエコーで観察して動脈硬化の進行具合を見ることで、間接的にリスクを評価しています。

首にエコーを当てると頸動脈が観察できます。血管の内腔や壁の厚さが分かります。血管の壁の厚さを測ることで動脈硬化の程度を推察します。動脈硬化が進行するにつれて動脈の壁が厚くなってきます。進行した場合ではプラークという脂の塊が見られます。エコーでは、プラークは暗い灰色の塊として見えますが、場合によってはプラークが石のように硬くなり、エコーで白く見えることもあります。頸動脈の動脈硬化が進行している例では、全身の動脈も動脈硬化が進行していると予想できます。このような場合は、狭心症や脳梗塞の発症を警戒するようにしています。また、治療目標も厳しく行う必要があります。

時々、大きなプラークが見つかるときがあります。プラークが大きくなり血管が詰まりそうになっています。血管が詰まってしまえば大きな脳梗塞を起こしますが、狭くなっているだけでは本人は何の症状もありません。エコーで断面図を観察して狭窄度を計測します。ドップラーを利用する方法もあります。狭窄が高度の場合は血流が早くなります。ドップラーで流速を調べて100cm/s以上あるときは、高度狭窄があると判断しています。プラークが血管をふさぎそうな時には専門医を紹介するようにしています。

頚部血管エコーほどは行いませんが、エコーで他の部位の血管も観察できます。「歩くと足が痛くなる」という症状が出る閉塞性動脈硬化症という病気があります。足に血液を送る動脈が狭くなると起こる病気です。血管造影検査が基本ですが、表面に近い血管ならばエコーでも観察できます。

高血圧の原因の一つに、「腎動脈狭窄症」という病気があります。腎臓に行く動脈が、動脈硬化のために細くなると、腎臓の血流が低下します。腎臓は血流が低下すると、血圧を上げるホルモンを出す性質があります。このため、腎動脈が細くなると血圧が上がります。エコーで腎動脈の血流を調べることができます。腎動脈の狭窄が高度の場合は、血流速度が速くなります。腎動脈狭窄が疑われればCTやMRIで精査をします。ただし、エコーで腎動脈を調べるのはかなり困難です。

動脈だけでなく、静脈もエコーで観察できます。深部静脈血栓症では足の静脈に血液の塊が詰まります。エコーでは静脈に詰まった血栓や、その下の拡張した静脈を観察できます。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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