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月報「聴診器」2月号発行しました!

月報 「聴診器」 2021/2/01

新型コロナウイルス第3波、緊急事態宣言をへて徐々に収束しつつあります。東京や福岡市での減少は顕著ですが、宗像地区では思ったように減っていません。これは、医療機関や介護施設でのクラスターによるものと思われます。こうした施設では、感染リスクが上がるような行為が避けられず、地域での罹患率が高くなれば、どんなに気を付けていても感染は起きてしまいます。皆で、忘年会や新年の集まりを楽しんだつけを介護や医療施設が払わされているわけです。

新型コロナウイルスについてはワクチンの話題が出てきています。現時点でのデータでは、効果は優れており短期的な副作用も比較的少ないと感じます。今後は国内でも接種が始まると思いますが、大変難しい事業になると思います。以前に、N1H1インフルエンザ(新型インフルエンザ)がパンデミックを起こした際にも、ワクチンが開発されました。このときに国がスケジュールを決めましたが、自分の順番に納得できない方が、医療機関に怒りの矛先を向けました。私やスタッフも罵詈雑言を浴びせられたり数十分も電話で苦情の相手をしたりでずいぶん辟易しました。今回は、皆さんの理解と協力でスムーズな接種になればいいなと願います。

 

28 糖尿病2 ②糖の代謝

糖尿とは血液中の糖が多くなりすぎる病気です。血液中の糖分が多すぎて、動脈硬化が進行したり、免疫が弱ったり、さまざまな合併症に苦しむことになります。しかし、本来糖分は体にとって必要なものです。臓器が活動するためのエネルギーの供給源の大部分は糖分が占めています。

糖は炭水化物の一種で、炭素と酸素、水素によって構成されています。「糖」にはさまざまな種類があります。グルコース、フルクトース、ガラクースなどが有名ですね。このうち、エネルギー源として重要なのはグルコース(ブドウ糖)です。一般に生体で「糖」という言葉を使う場合は、グルコース(ブドウ糖)のことをさすと思ってください。

糖は口から食物の形で摂取されます。代表的なものは、でんぷんとショ糖です。でんぷんは、ブドウ糖が3000個ぐらいつながっている多糖類です。ショ糖は、グルコースとフルクトースがつながっている二糖類です。食物は消化管内で細かい分子に分解され、グルコースの形で小腸から吸収されます。吸収された糖は門脈という特別な血管を通って肝臓に運ばれます。ここで、糖の一部はグリコーゲンの形で肝臓に蓄えられます。一部の糖はそのまま、血中に移行します。血管を流れて臓器に運ばれますが、そのままでは糖は臓器内に入って行きません。臓器は細胞の集まりでできていますが、細胞には細胞膜があるため、自然に糖がしみこんではいかないのです。細胞膜に多種の穴が開いています。その中には、糖を通す穴もありますが、この穴は普段は閉じています。ここに、インスリンというホルモンがやってくると、穴が開いて糖が細胞に取り込まれるのです。細胞に取り込まれた糖はさらに分解され、水と二酸化炭素になりますが、その過程で多量のエネルギーを放出し、細胞の活動を支えるのです。

インスリンは膵臓という肝臓と胃のそばにある臓器から放出されます。インスリンは常時微量に放出されていますが、食後、門脈の糖分が多くなると、多量に放出されます。インスリンは、細胞に糖分を取り込ませて、血糖値を下げる働きがあります。インスリンは、糖の代謝に重要な働きをしますので、糖尿病の病態に密接に関わってくるホルモンです。

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

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