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聴診器

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月報「聴診器」5月号発行しました!

月報 「聴診器」 2025/05/01

昨年から、近隣の内科外来の閉鎖が続いています。もともと10件程度ありましたが、4件が閉鎖してしまい、残りの医療機関で分担しています。各医療機関で100-200人程度患者さんが増える計算です。当院でも3-4月には患者さんが増加し、待ち時間なので皆様にご迷惑をおかけしました。「医師過剰」などの言葉も報道では散見しますが、赤間地区では医療機関が十分でないのが現状ですね。僕も、思わぬ形での閉院で皆様に迷惑をおかけしないように頑張っていきます。

 

33 最近の話題 ⑧多職種連携

最近、心不全の治療について「多職種連携」が有効と言われています。
心不全とは、心臓の働きが弱くなり、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態を指します。息切れやむくみ、疲れやすさなど、日常生活に大きな支障をきたす病気です。そして一度心不全を起こすと、その後もくり返し悪化を繰り返しながら進行していくことが知られています。これを「心不全の悪循環」と呼びます。心不全の治療の中心は薬物治療ですが、症例によってはペースメーカーやカテーテル手術が使用されます。また、生活習慣の改善を行うことで心不全の予後は改善することが知られています。これには、医師だけでなく、看護師や栄養士、理学療法士など多職種かかわることが有効です。

私たちの診療所では、この心不全の悪循環を断ち切り、患者さんが安心して暮らし続けられるよう、多職種連携を行ってきました。

まず2015年からは、心臓リハビリテーションを開始しました。心臓リハビリとは、医師・看護師・理学療法士・栄養士など多職種が協力し、患者さんの体力回復や再発予防を目指すプログラムです。単に運動するだけでなく、食事や薬の管理、心のケアも含めた総合的なサポートを行っています。「もう無理だ」と思っていた方が、再び元気を取り戻し、笑顔で日常生活に復帰される姿を私たちは何度も見てきました。

さらに2024年からは、心不全療養指導士による「心不全療養指導士外来」を新たに開設しました。心不全療養指導士とは、心不全患者さんの生活を支える専門知識と技術を持った医療スタッフです。この外来では、症状の変化を細かくチェックし、薬の管理や日常生活上の注意点について個別にアドバイスを行っています。特に「体重の増減」「息切れの悪化」「むくみ」など、心不全の悪化サインを早期に捉え、必要に応じて迅速に対応する体制を整えました。

これらの取り組みを通じて、実際に心不全による再入院や緊急受診の回数が減少しています。私たちは、単に病気を治療するだけでなく、患者さん一人ひとりの「暮らし」や「人生」に寄り添い、支えていく医療を目指しています。

心不全は、適切に管理すれば、症状を安定させながら長く付き合っていくことができる病気です。大切なのは「何かあったら受診する」のではなく、「悪くなる前に防ぐ」こと。そのためにも、心臓リハビリや心不全外来を積極的にご利用ください。スタッフ一同、みなさんと一緒に、安心できる毎日を作っていきたいと考えています。

    上野循環器科・内科医院  上野一弘

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