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聴診器

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月報 「聴診器」 2004/10

月報 「聴診器」 2004/10/1

先日、パソコンが壊れてしまいました。データのバックアップを取っていなかったために大変な目にあいました。何でも、秋の初めはパソコンが壊れやすい時期だそうです。皆さんも気をつけてください。

 

2.狭心症③ 狭心症の治療

前回まで、狭心症の病態、検査について説明をしました、それでは、狭心症と診断がつけばどのような治療を行うのでしょうか。治療には(1)内服治療、(2)カテーテルによる治療、(3)手術の3種類があります。

内服治療は、薬による治療です。薬は、抗血小板剤、コレステロールを下げる薬や血管拡張薬などを使用します。狭心症では、冠動脈(心臓の栄養血管)が動脈硬化によって狭くなっています。この狭いところで血液がかたまると、狭心症が重症化し、場合によっては、心筋梗塞を発症します。抗血小板剤は、血管の中で血液が固まるのを予防し、狭心症の悪化を防ぎます。また、コレステロールを下げる薬にも、狭心症の悪化を防ぐ作用があるといわれています。血管拡張剤は心臓の血管を広げて、症状をやわらげます。

しかし、冠動脈がとても狭い場合には、薬だけでは、あまり十分な効果が得られません。このときに、カテーテルによる治療を検討します。カテーテル検査では、しなやかな細い管を足や腕から血管に挿入し、心臓まですすめて検査を行います。カテーテルを利用した治療では、この細い管の中に、さらに細い管を入れて行います。たとえば、血管の狭いところに、先に細い風船が付いた管を入れます。風船は、しぼませたまま、血管に入れますが、狭いところまで風船を進めたら、圧力をかけて膨らませます(右写真)。風船が膨らむと血管が拡がり、充分に拡がれば、風船を抜きます。こうすれば、狭かった血管が拡がり、狭心症の治療ができます。細い管の先には、風船のほかに、ステントという金網や、ダイヤモンドのドリルやカッターが付いたものもあります。

カテーテルによる治療は、効果が劇的で、すばやく安全に行えるため、よく行われます。しかし、血管が何本も細い場合や、根元に近いとき(LMT)には危険

性が高くなります。このようなときには、バイパス手術を行います。バイパス手術は、血管の狭い部分の代わりに、別の血管(バイパス)で血流を確保する手術です。バイパス用の血管には足の静脈をつかったり、内胸動脈という心臓のそばにある動脈を使ったりします。昔は、心臓を一回止めて、人工心肺を使用しながらの手術が主流でしたが、最近では、心臓を動かしながらの手術も増えてきました。

治療は、各症例の冠動脈の状態によって決められますが、それぞれに合併症などの問題もあります。担当の先生とよく相談して、決めてください。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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