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聴診器

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月報 「聴診器」 2011/04

月報 「聴診器」 2011/04/01

東北関東大震災は大変な状況です。知人や親戚がいらっしゃる方も心配されていることとも思います。お亡くなりになられた方は誠に気の毒です。遺族の方々の悲しみも深いでしょう。

避難されている方々も大変だと思います。家族を失い、帰る家もないかたもいらっしゃると思います。食糧や水も十分ではないようです。避難所ではプライバシーもない生活と思います。衛生面や集団生活の面からは感染症も心配です。阪神淡路大震災では避難所の方々の血圧が上がり、心疾患や脳卒中が異常に増えたことが知られています。対策にあたるべき医療機関も物質的被害は甚大です。人的インフラはなんとか維持できているようですが、現地の医師、看護師、保健師の献身的努力によるものと思います。自らも被災者たる現地の医療人が膨大な被災者のために不眠不休での努力をつづけているのだろうと思います。彼らの努力に頼るのも限界があると思います。私も同じ医療者として傍観はできません。

日本医師会では全国の医師を組織して、被災地への医療援助を行っています。参加への募集がありましたので私も参加を表明しています。先日、4月16日から19日にいわき市に派遣されることが決まりました。その間、私は当院を空けることになります。定期処方だけは出せる体制を整えるつもりですが、診察等はできなくなります。申し訳ありませんが、その期間はできるだけ受診を避けていただきたいと思います。私が不在中に具合の悪くなった方は、医師会病院などの他の医療機関を受診してください。また、私が不在の件をお友達などに口コミで拡げていただければ助かります。皆様には、大変ご迷惑をおかけしますが御協力と御理解をお願い申し上げます。

 

13 検査 ⑤超音波検査:その他のエコー

当院では心エコーや血管エコーを盛んに行っていますが、一般的には腹部の検査で超音波を使用している診療所が多いようです。お腹の中には、肝臓、すい臓など多くの臓器がありますが、ほとんどを超音波検査で観察することができます。やり方はそれぞれの医師で異なりますが、僕は左側から診て行くようにしています。左わき腹にプローブを当てると左の腎臓や脾臓が確認されます。尿管結石などがあれば腎臓が腫れて見えることがあります。次に中心部に移りプローブを縦にして腹部大動脈を観察します。腹部大動脈瘤があれば、この時点で分かります。プローブを横にして膵臓を観察します。すい臓はエコーでは見えにくい臓器ですので、ここはゆっくり観察します。膵臓が観察できたら大動脈の周囲をよく見ます。まれに大動脈周囲のリンパ節がはれていることがあるからです。同じ部位からプローブを上に向けると肝臓が見えます。肝臓では腫瘤がないか、脂肪肝があるか、管内胆管が拡張してないかなどをチェックします。肝臓に埋もれるように胆嚢が見えます。胆嚢では結石やプリープなどをチェックします。そのほか、腫瘍や腹水を見落とさないように気をつけています。上手な医師では腸管を観察して盲腸や腸炎などの診断ができます。申し訳ありませんが、僕は腹部エコーはそこまで上手ではありません。すいません。

甲状腺を超音波で観察することもあります。腫瘍のチェックのために行うことが多いのですが、甲状腺機能亢進症の時には鑑別に利用できます。バセドウ病では甲状腺の血流が増加し、亜急性甲状腺炎では甲状腺にエコー輝度が低い部位を観察することができます。他にも、乳房や関節など体の表面に近い臓器を観察する事ができます。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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