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聴診器

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月報 「聴診器」 2014/02

月報 「聴診器」 2014/02/01

今年の冬は去年に比べて暖かい気がします。それでも、インフルエンザと感染性腸炎は流行っているようです。いずれも、自然軽快する病気ですが、こじれて肺炎などを起こすと厄介です。調子が悪いときには無理をせず、休むようにしましょう。

 

18 生活習慣 ①喫煙

病気にはいろいろな原因があります。微生物による感染であったり、遺伝による体質的なものであったり。多くの病気は、複合した原因で引き起こされますが、人間がコントロールできる原因は多くありません。病気には個人の努力では防ぐこともできず、改善することもできないものがあります。さらに、現代の医療技術では改善することができない病気もたくさんあります。

一方、個人の生活によって予防できたり、少なくともリスクを減らすことのできる病気もあります。また、生活改善で病気そのものを改善できる場合もあります。高血圧、高脂血症、糖尿病などの大部分は、生活習慣と密接な関係があります。これからしばらくは、病気の原因となる生活習慣について説明していきます。まずは、喫煙です。

タバコはナス科タバコ属の植物で南アメリカが原産地といわれています。メキシコのパレンケ遺跡には「タバコを吸う神」のレリーフがあります。献上用、儀式用のアイテムとして発達しましました。コロンブスがアメリカ大陸を発見した時に、先住民からタバコを送られたそうですが、コロンブスは捨ててしまったそうです。その後、ヘレスが持ち帰りヨーロッパに広めたそうです。当初は薬として伝えられたそうですが、依存性があるため瞬く間に広まったそうです。日本には16世紀に南蛮貿易を介して伝えられました。日本では「キセル」として独自の進化をとげましたが、明治時代からは紙タバコが主流になっています。この時代では、民間のタバコ商が活躍し巨万の富を築いています。ご存じのとおり、タバコは依存性があるので需要が安定しており、計画的に供給できるためです。これに目を付けた政府が明治37年に国の専売とします。日露戦争の戦費調達のためだったそうです。しかし、健康に悪いことが徐々に明らかになり、昭和60年に民営化されています。今でも、日本たばこ産業(JT)は2兆円の売り上げを誇る大企業です。

タバコの依存性は強固なため、喫煙者は値段が上がってもなかなかタバコをやめません。そこで、国や地方自治体もタバコに税金をかけ、重要な収入源としています。たばこ税は、喫煙者が禁煙をしない程度に徐々に増額を続け、今ではタバコの値段の6割以上が税金です。

タバコの煙には様々な成分が含まれています。4000種類ほどの化学物質が含まれそのうち2000種類が有毒成分だといわれています。79%を占めるのが一酸化炭素です。物が不完全燃焼をすると一酸化炭素が生まれます。一酸化炭素はヘモグロビンに強固に結合し、赤血球が酸素を運べなくなります。狭い室内で火を焚き続けると一酸化炭素中毒で死亡します。7.5%がニコチンです。これはたばこの依存性を高めます。2.4%が窒素酸化物です。これは動脈硬化や細胞異化を促進し、心筋梗塞や癌を増やします。0.6%がアンモニアです。このため、喫煙者は口から排泄物のようなにおいがしますがします。そのほか、アロクリン、ピリジン、ホルムアルデヒド、ジメチルニトリサミン、ヒドラジン、ニトロソロピリジン、ダイオキシンなど数々の発がん性物質が含まれています。

上野循環器科・内科医院 上野一弘

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