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聴診器

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月報 「聴診器」 2014/04

月報 「聴診器」 2014/04/01

先日、海ノ中道公園でマラソン大会があり子供と参加してみました。天気も良く、サポートも充実していて、楽しく走ることができました。しかし、どうしても子供には追いつけず7秒差で負けてしまいました。日ごろの運動不足の結果ですね。

 

18 生活習慣 ③タバコはなぜ止められない?

先月はタバコの健康被害につて説明しました。寿命が短くなるだけでなく、お金はかかるし、火の不始末で火事にはなるし、歯にヤニがついてみっともないし、息がくさくて人には嫌われるしで一つもいいことはありません。そんなことは、僕がくどくど言わなくても、みなさんご存知だと思います。それでもタバコを止めるのは難しいようです。それにはいくつかの理由があります。

まずは、ニコチンの関与です。タバコにはニコチンが含まれています。ニコチンが体内に取り込まれると脳の奥のほうに作用して、脳の機能を劣化させます。ニコチンが来ないとエンドルフィンなどの活性物質が放出できないように脳を変えてしまうのです。すると、ニコチンが切れていると脳が正常に働かず、イライラしたり、集中力を欠いたりします。ニコチンが取り込まれると脳が正常に働きますので、脳はニコチンをよいものと勘違いしてしまいます。つまり、ニコチン依存症になるわけです。理解していただきたいとこは、ニコチンが脳のもともとの働きを良くしているわけではないことです。ニコチンを摂取する前よりも脳の機能がよくなるわけではなく、ニコチンが来ないと正常に働かないようになっているだけです。この依存状態は、ニコチンを断つことでしか改善しません。ニコチンを断てば最初は脳がうまく働かず、非常につらいのですが、徐々に脳が自然回復をし、ニコチンが来なくても正常に働けるようになります。

口唇刺激も関係あるようです。人間はストレスを感じたときに口唇刺激を与えられると安心するそうです。赤ちゃんの頃の哺乳状況と関係あるでしょう。子供がいじけるとおしゃぶりをしたり鉛筆を噛んだりするのも同じ理由です。タバコも口で吸いますので「おしゃぶり効果」でリラックスできるようです。

意外と大きいのがメディアの影響ではないかと思います。健康に関する番組や報道はたくさんありますが、不確かな情報を確信的に報じたり、珍しい事例を並べて視聴者を驚かすものもあります。不思議に思うのは喫煙という明らかに寿命を縮め、被害者も多数で、予防も可能なものに対しての情報がとても少ないことです。芸能人が喫煙によるがんで死亡しても、喫煙で死亡したとは報じられません。一方、映画などでは喫煙はヒーローのアイテムだったり、大人の男を演出したり、自立した女性を象徴するものだったりします。中学生から喫煙を始めた方のなかには、反社会的なヒーローにあこがれていた方も多いのではないでしょうか。

たばこ会社は2兆円の売り上げを誇る巨大企業です。その資金力を生かして多数の番組のスポンサーになっています。コマーシャル自体は法の規制があるので喫煙を奨励するものではなく、企業のイメージを流すだけです。しかし、たばこ会社から巨額な資金をもらっている番組が、公正に喫煙の被害を報道するでしょうか。もし、僕が番組の責任者なら、喫煙に不利な報道は自粛します。たばこ会社によって操作されたイメージが喫煙を助長していると思います。

上野循環器科・内科医院 上野一弘

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