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月報 「聴診器」 2015/01

月報 「聴診器」 2015/01/01

皆様、明けましておめでとうございます。昨年末は、暖冬の予想を書いていましたが、見事に外れましたね。12月に雪は降るし、インフルエンザは流行るし、で皆さんも大変だったんじゃないでしょうか?

当院は、今年の4月に心臓リハビリテーション施設の稼働を予定しています。現在、診療棟となりで工事中です。着々と完成に近づいていますが、窓にステンドグラスが4つあるのにお気づきでしょうか。これは、看護師の那須さんの手作りです。何か記念になるようなものがほしくてお願いをしました。かなり苦労を掛けましたが、美しく心のこもったものを作ってくれて、大変感激しました。建物に魂が宿った気がします。

18 生活習慣 ⑪運動不足と老化

前回まで運動不足が様々な病気を引き起こすことを説明してきました。糖尿病、高脂血症、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、骨粗鬆症、認知症などです。ほかにも、がんやうつ病になりやすい、皮膚のたるみやしわが増える、感染症に弱くなるなどの報告もあるようです。つまり、運動不足は老化を促進させると考えられています。逆に言えば、運動習慣を取り入れることで老化を遅らせることができるかもしれません。

老化に伴い体力は低下していきます。様々な指標で若年者と高齢者を比較すると、下肢の筋力と持久力の低下が目立ちます。片足立ちや、脚筋力では、60歳で50%以下に低下します。このことから「人は脚から老いる」とも表現されます。持久力とは最大酸素摂取量と考えてよいと思います。体は酸素を利用してエネルギーを生み出し活動をしています。酸素を利用できる能力が高いほどたくさんのエネルギーを生み出すことができます。酸素はまず肺から吸収され、血液にとりこまれます。酸素を取り込んだ血液は心臓によって押し出されて全身に運ばれます。そこで、主に筋肉に酸素は取り込まれてエネルギーを生み出しています。運動をすればたくさんエネルギーが必要となりますので、酸素摂取量も増加していきます。限界まで運動を行ったときが、その人のエネルギー産生の力の限界で、この時の酸素摂取量が最大酸素摂取量と呼ばれています。つまり、最大酸素摂取量とはその人のエネルギー産生能力を表している指標になります。酸素利用は、肺>>血液>>心臓>>筋肉と流れますので、これらの要因に問題があれば最大酸素摂取量は低下してしまいます。例えば喘息の発作時は少し歩いても疲労してしまいます。これは肺で酸素を取り込むことができなくなっているからです。貧血や心臓病があっても最大酸素摂取量は低下してしまいます。ただし、老化による最大酸素摂取量の低下は、筋肉量の減少が一番大きな要因といわれています。

高齢になれば、筋力が衰え、最大酸素摂取量が低下するのは仕方ないことでしょうか。多くの人が、高齢になれば筋力トレーニングの効果はなく逆に有害である、と誤解しています。確かに、若年者のように筋トレでマッチョになることはありませんし、やみくもなトレーニングは危険を伴います。しかし、適度なトレーニングを行えば、高齢者でも効果が出ることがわかっています。例えば60歳から走行トレーニングを開始したグループの調査では、同年代と比べて30%も最大酸素摂取量が増加しています。トレーニングを続けた例では、75歳でも40代の体力を維持できたとの報告もあります。アメリカの研究でも60歳からトレーニングを開始した場合に体力の向上と死亡率の低下がみられています。             上野循環器科・内科医院 上野一弘

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