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聴診器

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月報 「聴診器」 2016/08

月報 「聴診器」 2016/08/01

急に暑くなったためか、熱中症が増えています。原稿を書いている時点では夜はまだ涼しいのですが、今後はさらに暑くなるでしょう。熱中症予防のために水分摂取はよく言われています。時々、びっくりするのはクーラーをかけない方が意外と多いことです。クーラーが体に悪いとか、電気代がかかるなどの理由で我慢している方もいるようです。高齢になってくると熱さに鈍感になってしまい、クーラーをかけないこともあるようです。中には、クーラーがない、配管用の穴がないのでクーラーをつけられないと話してくれる方もいらっしゃいました。

熱中症のため毎年1000人前後の方が亡くなっています。予報では今年は最も暑い夏になるそうです。クーラーは非常に効果的な熱中症対策になりますので、是非、有効な使用を勧めます。

22 弁膜症2 ①心臓の弁

今回からは、弁膜症の話です。弁膜症も、狭心症や心筋梗塞と同じぐらいよくある病気ですが、全く問題の無いものからすぐに手術が必要なものまで、重症度がさまざまです。

心臓は筋肉で出来た袋のような構造になっています。この袋が、収縮をしてポンプのように血液を送り出しています。心臓には部屋が4つあり、それぞれ右心房、右心室、左心房、左心室と呼ばれています。血液は、静脈から心臓に帰ってきます。静脈血はまず、右心房に入り次に右心室に送られます。右心室からは肺動脈が出ており、血液はここを通って肺に行きます。血液は肺で酸素を十分取り込み動脈血となります。酸素を取り込み、動脈血となった血液は左心房に入り込み、次いで左心室に送られます。左心室からは大動脈が出ており、ここから全身に血液が送られます。

血液はこの経路を一定方向に流れています。そのため、心臓には弁がついており血液が逆流しないようになっています。心臓には4つ弁があり、右心房と右心室の間には三尖弁があり、右心室と肺動脈の間には肺動脈弁があり、左心房と左心室の間には僧房弁があり、左心室と大動脈の間には大動脈弁があります。たとえば、僧房弁では、左心房が収縮して左心室に血液を送るときは、弁が開いて血液が流れるようにします。次に、左心室が収縮して血液を大動脈に送ります。このとき、僧房弁が閉じて血液が左心房に逆流するのを防ぎます。このように、心臓は4つの弁がきちんと開いて、きちんと閉じることで効率よく動いているのです。しかし、この弁が何らかの原因で、しまりが悪くなったり、開かなくなったりすると、心臓が効率よく動かなくなり、ひどい場合には心不全を起こします。弁膜症は軽症の場合は、経過観察で十分ですが、中等症以上になれば薬で心臓の負担を軽くする必要があります。重症の場合には手術が必要となります。

 

上野循環器科・内科医院 上野一弘

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