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聴診器

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月報「聴診器」3月号発行しました!

月報 「聴診器」 2023/03/01

COVID-19第8波も落ち着き、5月には第5類相当へ変更されます。マスクの着用も「各自の判断」になるようです。ただし、当院はじめ医療機関では引き続きマスクの着用が必要です。

マスクを着用するのは、「自分が感染しないため」だけではありません。「他人に感染させないため」でもあります。COVID-19は症状の幅が広く、ほとんど症状がない人から死線をさまよう状態まで様々です。また、感染してもまだ症状ない時期(発症の1-2日前)にも感染者からウイルスが排出されます。このため、感染した人が気づかないうちに他人にウイルスを感染させていることが多いのではないかと言われています。

医療機関は疾患を持っている人が多く集まる場所です。感染しやすい人や感染したときに重症化するリスク有する方が沢山います。弱い立場の方々を感染や感染による死亡から守るために、引き続きのマスク着用をお願いします。

 

30 脳卒中2 ⑨脳梗塞の予防

前回は脳梗塞の予防について説明しました。心房細動による脳梗塞についても記載しましたが、今回はもう少し詳しくこの件について書こうと思います。

心臓は筋肉でできた袋で、収縮することで血液を送り出しています。4つ部屋に分かれており、上の二つが心房と呼ばれ、下の二つが心室と呼ばれます。血液は心房から心室に送られ、ついで心室から肺や全身に送られます。心臓の収縮リズムは電気信号が行っていますが、電気信号はまず心房の壁を伝わり、房室結節を通って心室に伝わります。心房⇒心室の順に電気が伝わり、この順番で収縮しています。心房細動では、心房のあちこちで電気信号が非常に速く発火しているので、心房が縮む余裕がありません。このため、心房細動では心房がほとんど収縮しなくなります。血液は血管の中を流れていると固まることはありませんが、異物に接触するか流れが滞ると固まって血栓を作ります。心房細動では心房内で血流が滞っていますので血栓ができてしまい、血栓がはがれて脳の血管に詰まると脳梗塞を起こします。

心房細動による脳梗塞を減らすには3つのアプローチが行われています。まずは、前回説明したように薬で血液が固まるのを抑える方法です。ワーファリンやエリキュース、リクシアナなどの薬を使用します。心房細動そのものを根治する方法も行われています。20年以上前にはこの方法はうまくいきませんでした。当時は抗不整脈薬を使用しての心房細動治療しかありませんでしたが、おそらく抗不整脈薬による治療では、完全に心房細動を抑制することができなかったのでしょう。しかし、最近ではカテーテルによる心房細動治療が発達し状況が変わってきました。カテーテル治療が、脳梗塞発症の予防に効果があるとの報告が多くなされています。特に、発症して間もない症例や心不全合併例ではカテーテル治療で予後が改善することが確かめられています。

血栓は主に心房の左心耳という場所にできます。そこで、左心耳をなくせば血栓ができないのではないかとの考えから、左心耳を切除する試みも行われています。少数での検討ですが、ある程度の脳梗塞予防効果があるようです。最近は、手術で左心耳を切除するのではなく、カテーテルで左心耳に詰め物をするデバイスも開発されています。こちらも、良い成績が報告されています。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

 

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