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聴診器

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月報「聴診器」4月号発行しました!

月報 「聴診器」 2023/04/01

  今年の4月はCOVID-19も落ち着き、WBCも盛り上がり、久しぶりの春らしい気分の春です。当院では4月から少し診療体制の改善を行います。まず、毎月第二週第四週の土曜日に福岡東医療センターの藤田先生に来てもらえることになりました。第一線で働いている医師ですので、最新の知見や困難事例の対処法を教えてもらおうと思っています。次に心不全外来を始めます。今回、日本循環器学会認定「心不全療養指導士」の試験に当院のスタッフが二人合格しました。通常の外来診療をサポートしてもらい心不全患者さんへのより細かいケアが可能になります。最後は食事相談です。食事療法は患者さんも医師も悩むことが多く、なかなかうまくいきません。そんな時に栄養士さんが少し相談に乗れるシステムを始めます。一気に解決はすることはむつかしいと思いますが、繰り返すことで少しでも治療の役にたてるのではないかと思います。

新しい試みが、当院のレベルアップと患者さんの幸せにつながればいいなと思います。

 

31 血管病変2 ①大動脈瘤

今回から血管病変について説明していきます。これまで、心臓の冠動脈や脳血管の病気については説明してきました。ただし、血管は全身に広がっていますので、どの部位の血管でも病気が起こり得ます。まずは、大動脈病変について説明していきます。

大動脈は胸からお腹まで、体の中心を走っている直径2~3cm程度の太い血管です。血液は心臓から大動脈に送り出された後、枝分かれした血管からそれぞれの臓器に到達します。社会の物流に例えると、大動脈は高速道路や国道のようなものです。したがって、大動脈で病変がおこれば、全身に影響し死に至ることもあります。大動脈の病気で代表的なのは大動脈瘤です。動脈がこぶのように腫れてしまう病気です。こぶができた場所によって「胸部大動脈瘤」や「腹部大動脈瘤」と呼ばれます。動脈にこぶができれば、こぶの中で血が固まったり、こぶが他の臓器を圧迫したりします。そして動脈瘤の最大の問題は、こぶの破裂です。動脈のこぶの壁は薄くなっているので、非常に破れやすくなっています。こぶは、大きくなればなるほど破れやすくなってきます。こぶが破れれば、多量に出血をして死に至ります。また、胸部大動脈瘤が破裂すれば肺の周りに血液がたまって肺を圧迫し、心臓のすぐそばの動脈瘤が破裂すれば、心臓の周りに血液がたまり心臓を圧迫します。これは、心タンポナーデと呼ばれる状態です。こういった場合には、すぐに手術などをする必要があります。一般に、こぶが心臓に近ければ近いほど重症度は増します。

動脈瘤の原因は、動脈硬化によるものが多数を占めます。特に高血圧は大動脈瘤の最大の原因です。感染症や先天性の病気でも動脈瘤を起こしますが、非常にまれです。恐ろしいことに、大動脈瘤は破裂するまでは症状はほとんどありません。レントゲ、CTやエコーなどでほかの部位の検査をしているときに、偶然見つかることもあります。

動脈瘤の治療はまずは血圧が下がることです。動脈瘤が大きくて破裂の危険性がある場合は手術をして、血管を取り換える必要があります。ただし、この手術は大手術になります。あまりに年齢が高い場合や、合併症が多い場合は手術ができないこともあります。最近では、ステントという金網を入れる手術も行われるよことが多くなっています。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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