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聴診器

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月報「聴診器」7月号発行しました!

月報 「聴診器」 2022/07/01

暑い、とにかく暑いですね。エルサにお願いして冷やしてほしいところですが、この蒸し暑さではさすがの氷の女王もダウンしているかもしれません。もともと暑くなり始めの初夏は体が暑さに順応してないため熱中症になりやすい時期ですが、今年の6月は過去最高の暑さで例年よりも熱中症の方が多いように思えます。このままでは7月や8月がどうなることか心配です。さらに梅雨が短かったせいでダムの貯水率も低いようです。渇水も心配ですね。

新型コロナウイルス感染はかなり下火になった印象がありますが、6月下旬からは徐々に増えています。熱波、渇水、新型コロナウイルス第7波の三重苦の夏にならないことを祈るばかりです。

新型コロナウイルスワクチン第4回接種の個別接種は、当院では7月に行う予定としています。予約はコールセンターを介してのみになります。

 

30 脳卒中② 脳の血管

前回は脳の構造について大まかに説明しました。脳も体の臓器ですので血管から血液が供給されて働くようになっています。脳は体全体の2%程度の重さしかありませんが、血流は全体の15%が供給されています。脳にいく血管は首の血管から始まります。総頚動脈と椎骨動脈です。それぞれ左右に一本ずつありますので4本の血管で脳に血液を送っていることになります。総頚動脈は直径1cm程度の血管で、首の前方にあるため容易に手で触れます。椎骨動脈は3mm程度の血管で、首の後ろの骨の中を通っています。総頚動脈は顎の付近で内頚動脈と外頚動脈に分かれます。

椎骨動脈は左右の血管が合流して一本の脳底動脈となり脳幹や小脳に血液を送ります。その後、再び左右に分かれて後大脳動脈へと分岐します。左右内頚動脈は中大脳動脈と前大脳動脈に分岐します。大脳には左右に前大脳動脈と中大脳動脈、後大脳動脈の6本がありますが、それぞれは交通動脈でつながり大脳の下で「輪」を作ります。これは首の血管が一本詰まってもある程度血流を確保するためといわれています。この「輪」はウイリス大動脈輪と呼ばれています。

大脳動脈はさらに細かく枝分かれをしていきます。ここで大事なのは枝分かれをした血管は終動脈の形をとっていることです。枝分かれした血管同士の吻合が無い状態です。このため枝分かれした血管の一本が詰まってしまうと、他の血管が便宜を図って血液を供給することが出来ません。すると、詰まってしまった血管が養っていた部分の脳細胞が死んでしまいます。

前大脳動脈は主に前頭葉に血液を送り、中大脳動脈は側頭葉と頭頂葉に血液を送り、後大脳動脈は後頭葉に血液を送ります。それぞれの血管は大脳の表面を走行しますが、途中で穿通枝という細い枝を脳の奥に出していきます。

以上は動脈の話ですが、脳にももちろん静脈があります。脳の静脈は脳の表面を走行するものと、脳底部を走行するものがあります。すべての静脈は頚静脈に集まり上大静脈から心臓に帰っていきます。

脳には動脈と静脈以外に脳脊髄液というものもあります。脳脊髄液は頭蓋骨内部を満たし、脳はその中に浮いた状態になっています。脳脊髄液は脳の隙間(脳室)にある脈絡叢から産生されて循環しています。この時、脳脊髄液はいくつかの狭い関門を通って循環しています。

 

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

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