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月報「聴診器」11月号発行しました!

月報 「聴診器」 2021/11/01

新型コロナウイルスは激減しました。皆さんが感染対策を行い、ワクチンを接種してくれたおかげです。様々な情報が錯綜したため接種に不安を感じた方もいらっしゃると思いますが、勇気を出して接種を受けていただいたことは大きな成果を上げました。感染者が減ったことは、接種ができなかった人たちにも大きなメリットをもたらしたと思います。

インフルエンザワクチンの予約はインターネットか電話自動案内になりました。混乱を危惧していましたが、スムーズに予約をとれた方が多かったようで安心しました。インフルエンザワクチン接種が始まると事務作業が大幅に増えます。会計などをお待たせする時間が長くなりますが、頻繁に窓口に催促しに来られるとかえって時間がかかってしまいます。少しだけ我慢をしていただけると助かります。

 

29 脂質異常症2 ①脂質代謝

今回からは脂質異常症について説明していきます。脂質異常症とは聞きなれない名前だと思いますが、もともとは「高脂血症」と呼ばれていました。平成19年の動脈硬化疾患予防ガイドラインから脂質異常症と呼ばれるようになっています。「コレステロールが高い」とか「中性脂肪が高い」とかいうやつですね。脂質異常症には高LDLコレステロール血症、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症が含まれます。

コレステロールや中性脂肪は食事から摂取されますが、体内でも合成されます。体内での合成は主に肝臓で行われます。合成された、もしくは食事から吸収された中性脂肪やコレステロールは血液を介して全身に運ばれます。もともとコレステロールは体にとって大切なもので、細胞の構造部品になったり、ホルモンの原料になったりします。中性脂肪はエネルギー源として活用されます。ただし、コレステロールや中性脂肪が多すぎると動脈硬化が進み様々な病気を引き起こします。

健康診断などでは総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪などを測定します。ここで出てくる、HDLやLDLは、高密度リポ蛋白(high Density Lipoprotein: HDL)と低密度リポ蛋白(Low Density Lipoprotein: LDL)の略です。コレステロールや中性脂肪は、つまるところ脂ですので水や血液には溶けません。そこで、リポ蛋白を乗り物として輸送されています。この、リポ蛋白には何種類かあってそれぞれに役目があり、その中の一つカイロミクロンは腸管で吸収された中性脂肪を肝臓まで運ぶ役目をしています。LDL は肝臓で合成されたコレステロールを末梢の血管に運ぶ役目をしています。このため、LDLは血管にコレステロールをためこみ動脈硬化を促進させる原因となります。いわゆる「悪玉コレステロール」ですね。逆にHDLは末梢から肝臓までコレステロールを運ぶ役目をしています。このため、血管からコレステロールを引き上げ、動脈硬化にたいして抑制的に働きます。つまり「善玉コレステロール」ですね。

実はコレステロール自体はHDLコレステロールもLDLコレステロールも同じもので、コレステロールそのものに悪玉や善玉の区別はありません。乗り物のリポ蛋白の名前が異なるだけです。総コレステロールは、コレステロールの総量です。総コレステロールの中にはHDLコレステロール、LDLコレステロールが含まれ、中性脂肪の値も影響します。最近では総コレステロール値は重視されず参考程度になっています。

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

 

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