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月報「聴診器」3月号発行しました!

月報 「聴診器」 2022/03/01

1月中旬から始まった新型コロナ感染症の第6波は全国的には減少傾向で福岡県でもピークを越したように見えます。しかし、体感的にはあまり減った感じはしていません。発熱外来は相変わらず多忙で、感染者もやや高齢化している印象です。当初は症状が軽くても急激に酸素化が悪化する方も散見されるようになっています。入院施設のほうでもほぼ満床状態が続いており、酸素化が悪化した場合でもすぐには入院できなくなっています。また、新型コロナ診療に圧迫され通常の入院もやや制限されつつあります。しばらくは医療体制に余裕がない状態が続きますので、感染対策には十分気を使ってください。

新型コロナウイルスワクチン3回目接種は、対象となった人から順に自治体から接種券付き予診票が送付されています。接種券付き予診票が届いたらコールセンター(0120-201-685)に電話して予約をしてください。ただし、市外の方については住民票がある自治体でしか接種を受けられませんのでご注意ください。

29 脂質異常症2 ⑤  治療

今回は、脂質異常症の治療について説明します。脂質異常症の治療の基本は食事療法と運動療法です。教科書的には卵や動物性脂肪などを減らし、毎日1万歩以上歩くことが勧められています。脂質異常症は、糖尿病と同じく文明の発達とともに急増した病気です。理屈の上では、100年前の社会のような生活をすれば脂質異常症の大部分は治癒するはずです。しかし、身近に食べ物があふれ、便利な交通手段がある現代社会で文明の恩恵を拒否し続けるのは、大変困難だと思います。また、脂質異常に関しては遺伝的素因の影響が大きく生活習慣改善だけではなかなか正常化しません。

糖尿病の治療では「食事療法に勝る治療なし」と言われますが、脂質異常症については薬物療法でも長期予後の改善が十分得られます。脂質異常症の治療に関する研究は数多く行われてきていますが、脂質異常症を持つ人は5年間で40%の人が心筋梗塞や狭心症を発症することがわかっています。薬物療法を行えばこの確率を10%程度に抑えられます。また、最近では糖尿病や高血圧など、他の動脈硬化促進因子がある場合にはより厳格に治療をすることで、さらに予後が改善することがわかっています。

薬物療法によって心筋梗塞などの病気が減ることはわかりましたが、薬物療法自身の弊害は無いのでしょうか。薬物療法の弊害は①薬自身の副作用、②コレステロールを減らすことによる弊害の二つが考えられます。薬の副作用は、薬の種類にもよりますが、重篤なものは1000人に一人程度発生します。残念ながらゼロではありません。しかし、薬物を飲まない場合に起こる疾病の可能性に比べれば非常に少ない確率です。コレステロールを減らしすぎると、癌が増えるとか、脳出血が増えるとかを心配する意見があります。実際、統計では癌や脳出血の患者さんのコレステロールが低いことがわかっています。ところが、薬物療法でコレステロールを減らした患者さんを長年観察しても、癌や脳出血が増えないことがわかってきました。これは、原因と結果を混同させたことによる思い込みが原因でした。癌により栄養不足になり、結果としてコレステロールが減ることはよくあります。この場合、低コレステロール血症は癌の原因ではなく、結果だったのです。

コレステロール値が高い人すべてに投薬が必要なわけではありませんが、他の危険因子がある方は薬物治療を受けたほうが良いと思います。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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