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聴診器

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月報「聴診器」3月号発行しました!

月報 「聴診器」 2020/03/01
新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)がさらに急速な広がりを見せています。日本政府も非常事態と考えているようです。専門家会議や感染症学会などの見解は「封じ込めは無理。急激なピークを避けて、医療崩壊や重症化を防ぐ」とのことです。最終的には集団で免疫を獲得し、インフルエンザのようにウイルスと共存するしかないのでしょう。しかし、急激に感染が広まれば、十分な治療を受けられずに亡くなる方が増えてしまいます。今は、感染をゼロにするのでなく、爆発的な感染を防ぐことが大事です。そのためには、基本的な感染対策を続けることです。手洗いはこまめにする、過労や喫煙は避け、十分な睡眠をとることです。
医療機関が、感染クラスターの原因となることが心配されています。患者さん同士や、医療者と患者さんの間で感染を広げる可能性があります。特に当院は、心疾患や高齢の方が多く、重症者が出ることを心配しています。当院のスタッフは、マスク、ゴールをつけてもらい感染防止に努めるようにしました。受付では患者さんとの会話が多いので帽子もかぶります。感冒症状がある人には車などで待っていただき、なるべく待合室で過ごす時間を短くしてもらっています。発熱がある場合には別室で診察を行います。その際、スタッフはガウンや手袋も着用して応対します。ちょっとびっくりする方もいると思いますが、皆様の命を守るためと必要性をご理解ください。
患者さんにはいくつかお願いがあります。軽症時には受診は避けてください。心配だからと早めに受診してもできることはありません。むしろ感染を広げたり、病原体をもらうことになりかねません。お金を数えるときや、ページをめくるときに唾をつけるのはやめてください。高齢の方は指先が乾いて紙をめくるのが難しくなり、無意識に指をなめることが多くみられます。唾は強い感染源になりますし、経口的に自分が感染するかもしれませんので、絶対にやめてください。
社会の崩壊を防ぐために、行政も医療者も患者さんも、ワンチームで頑張りましょう。
27 高血圧2-⑤
脳卒中の一番の原因は高血圧です。脳卒中は、正式には「脳血管傷害」といい、血管が破けることによる「脳出血」と血管が詰まることによる「脳梗塞」があります。
長年、高血圧にさらされた血管は動脈硬化が進みもろくなり破れやすくなっています。脳出血では、血管が破れ、血腫という血の塊を作ります。脳は、頭蓋骨に囲まれた狭い場所にあるため、頭蓋骨の中に血腫ができればその圧力はどこにも逃げ場はなく、やわらかい脳を押しつぶします。血種の大きさによっては命にかかわり、後遺症も残ります。なお、くも膜下出血は、血圧が低くても起こることがあり、血縁者にクモ膜下出血の方がいれば、動脈瘤のチェックをお勧めします。
脳梗塞は血管がつまり、脳細胞の一部が死んでしまいます。死んだ脳細胞が右手を動かす細胞であれば右手が動かなくなり、口を動かす細胞が死んでしまえばうまくしゃべれなくなります。血管が詰まる原因には、動脈硬化による場合と心臓から血液の塊が飛んでくる場合があります。血圧が高くなれば、動脈硬化が進み詰まりやすくなります。また、高血圧によって心臓の負担が増えれば不整脈が出現し血栓を作りやすくなります。どちらのタイプの脳梗塞も、予防には血圧のコントロールが大事になります。
以前、脳卒中は日本人の死因の一位でした。血圧治療の浸透にともない、脳卒中は激減しましたが、依然その発症率は高く、高血圧の主要な合併症として警戒が必要です。
上野循環器科・内科医院  上野一弘

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