Rehabilitation
About
心臓病の患者様に運動というと、「大丈夫?」と思われる方が多いのではないでしょうか。実際に1940年頃までは、心筋梗塞の患者さんは、心破裂を避けるため8週間に及ぶベッド上での安静を強いられていました。そのため、体力は低下し、リハビリテーションを行わないと社会復帰が難しい現状がありました。それが、心臓リハビリテーションの始まりです。
その後、心臓病の治療法が進歩するにつれ、心臓リハビリテーションが、社会復帰への橋渡し以上の意義があることが、知られてきました。 現在では、心臓病の治療は心臓リハビリテーションのような、運動療法と生活指導を軸としたものを、主な治療に位置づけています。症状がとりのぞけない場合に、追加治療として手術やカテーテル治療を行うべきだと考えられるようになってきています。
心臓リハビリテーションは、心臓病の患者様が、低下した体力を安全なやり方で回復させ、自信を取り戻して生活できるようにするための運動療法や生活指導を軸としたプログラムです。
Effect
心臓リハビリテーションは、死亡率を約56%減少させ、再発を約28%減らすとされています。
*心臓リハビリテーションの効果は、すべて日本心臓リハビリテーション学会のHPより引用しています。
About
Schedule
当院では、心肺運動負荷試験の結果をもとに、医師が運動処方を作成します。運動処方に基づいて、心電図モニターで管理しながら、個人個人にあった運動プログラムを行います。運動プログラムは、5ヶ月間ですが、ご希望に応じて、継続することも可能です。
Flow
心臓リハビリテーション施設UPの入口から入り、受付をしてください。
月初めは、保険証の提示をお願いします。
また、診察もご希望の方は、受付の際、お伝えください。
男女に別れたロッカー付きの更衣室がございますので、動きやすい服装にお着替えください。
問診および、血圧・脈拍・酸素飽和度などの測定を行い、運動ができる状態かチェックします。
看護師が、心電図モニターを観ながら、運動を行います。
血液の循環を良くして、有酸素運動での燃焼効果をアップさせます。 また、筋肉や関節を動かすことで身体が滑らかに動くようになり怪我を防ぎます。
各個人に適した負荷量の運動を、酸素を十分に取り込んだ状態で行うことで心肺機能の維持・増進を図ります。また、適した負荷量の有酸素運動は、疲れを感じにくいという利点があります。
患者様の筋力・心肺機能に応じて、ダンベル・重錘などを使って行います。特に高齢の患者様では、筋肉の萎縮や筋力低下が強く、歩行などの持久運動だけではなかなか筋力が回復しないため、低強度の筋力トレーニングを併用することが効果的です。
体を運動から安静へ移行させる段階です。運動終了後の血圧低下や不整脈を予防する効果があります。
問診、血圧・脈拍測定などを行い、帰宅前の体調の確認を行います。
お着替えが終わられた方は、ロッカーの鍵を受付へお戻しください。
心臓リハビリテーション施設UPの受付にて精算をしてください。
Equipment
有酸素運動として効率よく体力が向上するためのトレーニングができます。転倒防止に大きく貢献していると考えられている大腰筋が鍛えられます。
連動式のアームとペダルで、全身運動、上下肢の個別運動が行えます。10段階で負荷の調節が可能です。
上肢・下肢での同時運動・個別運動を電動アシストにより実施します。 腕と脚の伸展・屈伸ができます。
背もたれにもたれかかった状態で自転車を漕ぐので、腰や背中への負担を少なくして運動ができます。モニター画面の中で、風景が流れたり、YouTubeなどの映像がみれるタイプもあります!
流れるベルトの上を歩行します。スピードや角度は調節しながら行えます。外で歩行するより、一定の速度を保て、ベルトの上を歩くので、膝や腰への負担が少ないという利点があります。
Up
心臓リハビリテーション“UP”は、2015年4月2日、 上野循環器科・内科医院の心臓リハビリ専門施設と して開設いたしました。“UP”(アップ)とは、体力UP、 生活の質のUPなど心臓リハビリを通じて、患者様が 社会的にも精神的にも向上(UP)されることを期待して 命名しました。また、“UP”は、Unlimited Potential (無限の可能性)という意味も兼ねています。患者様がよりよい生活が送れる可能性を引き出すお手伝いができればと考えております。 当施設は、診療所での施設基準(20㎡)の約4倍の広さがあり、大きめの窓、天井を高くすることで、開放的な空間をつくりました。患者様がゆったりとした気持ちでリハビリを継続していただければ、幸いです。また、リハビリ室の床は、体育館に使用する床材を用い、運動するのにより適した作りになっております。 施設内は、清潔感のある白を基調としております。ステンドグラスをいろいろな場所に施すことで、やわらかいイメージに統一しました。リハビリ室の上窓には、四季を彩ったステンドグラスが4枚あり、患者様が、リハビリに来るのを楽しみにしていただけるような、空間づくりを目指しています。