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聴診器

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月報 「聴診器」 2007/7

月報 「聴診器」 2007/7/1

 

梅雨になりました。6月はカラ梅雨でしたが、7月は本格的な雨が続きそうです。とりあえず、水不足は回避できそうですが、今度は水害が心配ですね。

 

8 高血圧⑥ 高血圧の治療

前回までは、心臓、腎臓、脳と高血圧の関係について説明してきました。恐ろしいのは、どの臓器障害も一方通行なことです。人間の臓器の多くは再生しません。いったん臓器に障害が起これば、その障害自体は元に戻ることはありません。脳梗塞が起これば、死んだ脳細胞は二度と戻ってきません。残った脳細胞でいかに機能を補うかが治療の目的となります。一度、心筋梗塞がおこれば死んだ心筋細胞は戻ってきません。いかに死滅する心筋細胞を少なくするか、いかに致死的合併症を防ぐか、いかに残った心筋を長持ちさせるかが治療の目的となります。腎機能が低下すれば、あとは機能が低下する一方です。行き着く先は、人工透析になります。治療は透析導入までの時間を遅らせることにあります。つまり、臓器障害が起きてからの治療は限定されたものでしかありません。逆に言えば、臓器障害を防ぐことが非常に大切なのです。

臓器障害を防ぐためには、血圧を下げることが一番です。では、どこまで下げたらいいんでしょうか。この降圧目標値は年々下がる傾向にあります。JSH 2004という日本の高血圧の最新ガイドラインでは135/80mHg以下を目標値としています。ただし、糖尿病を合併している場合では130/80mmHg以下が目標と更に厳しくなります。アメリカのガイドラインであるJNC7でも120-130mmHg が目標値となっています、ヨーロッパでも似たようなものです。これは様々な研究で、血圧がより低いほうが、長生きすることが確認されたためです。至適血圧は120/80mmHg以下とも言われています。逆に下がりすぎて悪いことは、あまりありません。あまりに血圧が下がりすぎると脳や腎臓の血流が低下し、ふらふらしたりします。ただし、その影響は一時的なもので、再び血圧が上がれば症状も軽快します、後遺症を残すようなことはほとんどありません。

治療の基本は、減塩になります。日本人の一日平均塩分摂取量は10-12g程度ですが、ガイドラインでは一日塩分摂取量は6gを目指すようにいわれています。一日塩分が6gというのはかなり薄味です。ぼくも、何回か味見をしてみましたが、ほとんど塩味がしません。正直にいうと、おいしくありません。しかし、塩分は出来るだけ減らしたほうがいいのは事実です。そもそも、高血圧の人の中には異常に多量の塩分を摂取している人が多いようです。「お漬物を食べるときに醤油をかける」「うどんやラーメンの汁は全部飲む」「外食メニューにもさらに醤油をかける」「さしみを食べるとき、両面に醤油をつける」などの食生活をしている方は、かなり塩分過多です。これらのことをやめるだけでも、血圧は下がるはずです。なお、唐辛子やコショウ、わさびなどの香辛料は血圧に関係ありません。香辛料を多めにつかって、塩や醤油を控えるのも効果があります。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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