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聴診器

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月報 「聴診器」 2008/10

月報 「聴診器」 2008/10/1

 

あっと言う間に涼しくなりましたね。この時期、風邪や肺炎の人が急激に増えてきます。朝方は思ったよりも冷えるようですので、寝るときは少し多めに着込んでください。

 

9 糖尿病⑤ 糖尿病の治療

前回は糖尿病の食事療法について龍官さんから説明してもらいました。食事療法は、糖尿病治療の基本であり、軽症から重症までどの段階の治療においても大切なものです。今回は、内服薬について説明しますが、糖尿病体質そのものを変えるのは食事療法だけです。食事療法をせずに、薬物療法だけを行うと、血糖値は一時的には下がるものの、一年もすれば再度悪化していきます。血糖コントロールを薬だけに頼れば、薬の必要量はどんどん増えてゆきますし、合併症も多くなります。「糖尿病だけど薬を飲んでいるから、甘いものを食べても大丈夫」といわれる方がいますが、そんなことをしていれば確実に合併症が進みます。また、薬物療法で血糖コントロールが改善したり、低血糖症状が出たりすると、食事量を増やす方もいます。このときは薬物の量を減らすべきで、食事療法は継続しなければなりません。

薬物療法の前に、体内で糖がどんな風に処理されているかをおさらいしておきましょう。糖は口から食物の形で摂取されます。食物は消化管内で細かい分子に分解され、グルコースの形で小腸から吸収されます。吸収された糖は門脈という特別な血管を通って肝臓に運ばれます。ここで、糖の一部はグリコーゲンの形で肝臓に蓄えられます。一部の糖はそのまま、血中に移行します。血中の糖は、インスリンの働きで細胞に取り込まれます。インスリンは膵臓という肝臓と胃のそばにある臓器から放出されます。インスリンは常時微量に放出されていますが、食後は多量に放出され、血糖値を低下させます。糖尿病の薬は、糖の代謝のそれぞれのレベルに作用して、血糖値を抑えます。

糖尿病の薬は、内服薬とインスリン(皮下注射)に分かれます。内服薬は大きく3種類ほどに分かれます。糖の吸収を抑える薬、膵臓を刺激してインスリンを出させる薬、細胞に作用してインスリンの作用をよくする薬などがあります。内服薬沢山使用しても思ったように血糖値が下がらないときや、他の病気で血糖コントロールが不安定なときはインスリンを使用します。なお、I型糖尿病では原則的にインスリンを使用します。

薬物療法の目的は血糖値の正常化です。ただし、薬を使用することによって低血糖などの副作用が出現することがあります。また、薬を長期に使用することで、膵臓が疲れてしまい薬が効かなくなることもあります。最近では、なるべくインスリンを出させないような薬のほうが予後が良いといわれています。薬物の種類や量は①血糖値の正常化、②副作用、③長期的な効果を考えて選びます。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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