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聴診器

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月報 「聴診器」 2010/11

月報 「聴診器」 2010/11/01

急に寒くなったせいで風邪が多いですね。肺炎も時々見られるようになりました。寒暖の差が激しく体が対応できないのでしょうね。

 

13 検査 ③心電図

前回までは血液検査について説明していましたが、今回から生理学的検査について説明します。生理学的検査とは身体の機能的なものを測定する検査の総称で、心電図やエコー検査などが含まれます。まずは、心電図から説明していきます。

心臓は筋肉でできた袋状の臓器で、電気が流れると収縮して血液を全身に送り出します。この心臓に流れている電気を体の表面から記録したのが心電図です。横軸が時間で、縦軸が電位になります。電気の流れを立体的にみるために、沢山の電極をつけます。

心臓の中での電気の流れを説明します。心臓は心房という補助ポンプのパーツと心室というメインポンプのパーツに分けられます。心房の上のほうには規則正しく放電をする細胞群があり、ここから電気の流れが始まります。電気はまず心房に流れます。心房と心室の間には絶縁体があり、房室結節という一か所の中継地点だけを通って電気が心室に流れます。房室結節での電気の流れは非常に遅いので、心房に電気が流れてから少し間が空いて、心室に電気が流れます。心電図もこの電気の流れに対応した波形が見られます。ます、心房での電気の流れを表す小さな波が出現します。その後、少し間をおいて心室での電気の流れを表す大きな波が見られます。

心電図をとることで、いろいろなことが分かります。心室波の出かたを見れば、心拍数とリズムが分かります。一分間にいくつ心室波が出ているかを数えれば、心拍数が分かります。心室波の間が短ければ脈が速いと分かりますし、心室波の間が長ければ脈が遅いと分かります。正常では、心室波は規則的に並んでいますが、不整脈が出ると並び方が不規則になります。心臓の中での電気の通り方も分かります。房室結節での電気の流れが悪くなれば、心房波と心室波の間が長くなります。更に流れが悪くなれば時々心室波が出なくなり、完全に電気の流れが途絶えると心房波とは無関係にまばらに心室波が見られるようになります。これは、完全房室ブロックという病気で、非常に危険な状態です。

一つ一つの波形から、心臓の病気を推測することもできます。心筋梗塞を起こすと、急激に心電図が変化します。心電図は経時的に形を変え、一週間ほどで変化が固定します。心筋梗塞を起こした部位を反映した「傷」として波形を認めます。我々はこれを「異常Q波」と呼んだり、「QSパターン」と呼んだりします。弁膜症や高血圧で心臓が拡張したり心筋が肥厚しても心電図は変化します。この場合は、左室肥大パターンと呼ばれます。心臓の周りに液体がたまると、心臓での電気が体表面に出てきにくくなり、低電位として認識されます。

心電図に異常があれば心臓病を疑いますが、正常な心臓であっても心電図に異常が出る場合があります。高度の肥満や肺気腫があれば、心臓の位置が変わるため心電図が変化します。カリウムなどのイオン濃度に異常があれば、電気の通り方が変わって、心電図が変化します。脳卒中などの頭の病気でも心電図が変化することがありますが、この原因はよくわかっていません。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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