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聴診器

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月報 「聴診器」 2012/12

月報 「聴診器」 2012/12/12

早いもので今年も終わりに近づいてきました。今季は暖冬との予測もありますが、どうなることでしょう。電力の問題もあり、穏やかな天候だといいですね。

 

16 不整脈2 ③脈が飛ぶ

前回は脈の増減のメカニズムについて説明しました。おおざっぱにいえば、心拍数が変動するのは当たり前ということです。ところが、明らかにリズムに変調がある場合があります。これは不整脈が原因のことがあります。

日常診療で一番多く遭遇する脈の異常は「脈が飛ぶ」との症状です。手首で脈をとっていると一拍脈が抜けたように感じる症状です。これは期外収縮という不整脈が原因のことが大多数です。正常での心拍は一定のリズムを刻んでいるので、心拍から心拍の間はほぼ一定です。期外収縮はこの一定のリズムに割り込むように入ってきます。「ドクン、ドクン、ドクン」が「ドクン、ドクドクン、ドックン」となります。しゃっくりのようなものを想像してください。予想される周れて収縮するため期外収縮と呼ばれます。これは、洞結節以外の場所からの放電が原因で心臓が収縮する現象です。洞結節の一定のリズムとは無関係に放電が起きるのでリズムが乱れるのです。心拍は一拍過剰になりますが、続けざまに起こる二つの心拍は、一つの脈拍しか形成できません。したがって、期外収縮が出ているときに脈を測ると一拍抜けたように感じるのです。

期外収縮には上室性期外収縮と心室性期外収縮があります。これは異常放電がどこから起きるかによって区別されています。余計な放電を起こす細胞が心房などになれば上室性期外収縮となり、心室にあれば心室性期外収縮となります。期外収縮の予後は良好で、特に治療は必要ではありません。しかし、心臓の構造的な病気が原因となっている場合もあるので、基本的な検査は必要です。特に心室性期外収縮は心筋症や心不全、虚血性心疾患が原因の時もありますので心エコーはしておいたほうがいいと思います。また、心室性期外収縮が連続して起こり、心室頻拍症という不整脈に発展している場合は治療が必要になります。このため、一度はホルター心電図での検査も勧めています。

洞機能不全症や房室ブロックなどの病気も脈が飛ぶ原因となります。これらは、心拍そのものが抜けてしまう病態で治療が必要な場合があります。洞機能不全症候群では洞結節の機能が劣化し定期的な放電ができなくなってしまいます。洞結節からの放電が来ないので、心房も心室も収縮せず心拍が消失します。洞機能不全症候群で心臓が止まったまま死んでしまうことは、あまりありませんが、3秒以上の心停止があれば気を失うことがあります。房室ブロックでは心室と心房の間をつないでいる房室結節が途絶しています。このため、心房は収縮しますが、心室は収縮せず、心拍が消失します。房室ブロックで心拍が消失している場合は、一過性であっても予後が悪いと考えられ、治療が勧められます。洞機能不全症や房室ブロックに対する治療はペースメーカーが使用されます。

脈が飛ぶ場合には、まず症状がある時の心電図を調べます。期外収縮が原因で心エコーでも異常がなければ、とりあえずは安心していてよいと思います。器質的な疾患があったり、洞機能不全症や房室ブロックなどがあれば、治療を検討が必要です。

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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