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聴診器

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月報 「聴診器」 2013/08

月報 「聴診器」 2013/08/01

今年の夏は暑いですね。おそらく2010年の猛暑に匹敵するのではないかと思います。雨もあまり降りませんね。福岡県のダムの貯水率は8月1日で75.2%と平年より少ないようです。水不足は心配ですね。長期予報ではしばらく暑さが続くようです。皆様も体調に気を付けてくださいね。

 

17 心エコー① 超音波検査の基礎

以前に検査の話をいろいろしたときに、心エコーについては触れました。その後、技術の進歩があったり、当院でも新しい機器を導入しました。今回からは再び心エコー検査について説明します。

心エコー検査は超音波検査の一種です。超音波は人間には聞こえない領域の周波数の音のことで、超音波検査では水晶に電圧をかけて作り出されます。基本的な振る舞いは声と同じです。山で「ヤッホー」と叫ぶと少し遅れて遠くから「ヤッホー」と声がします。謎の生物が山にいるわけではなく、自分の声が山に反射して帰ってきているためです。「やまびこ」ですね。超音波検査はこの現象を利用したものです。そもそもは、タイタニック号の沈没がきっかけで開発された、超音波を使用して氷山を探知する海洋船用のシステムが元祖だそうです。

超音波は水中をよく通るため、初期には、水をいれたドラム缶の中に患者さんを入れて検査をしていたそうです。また、超音波を出す装置も一つのビームしか出せませんでした。このため、術者がビームを手動であちこちに振って解析をしていたそうです。その後、ビームを機械的に振る装置になり、現在は電子的に多数の超音波パルスを制御する装置になっています。記録のほうも進歩を続けています。当初は帰ってきた超音波を振幅で表示する方法だけだったそうです。パッと見た目にはわけのわからない波が表示されているものでAモードと呼ばれていました。このAモード信号を処理し横に多数並べると二次元画像が得られます。これが一般的にエコー画像として認識されているBモード画像になります。現在は超音波の発生が電子スキャン式なのでほぼリアルタイムで体内の疑似画像が得られます。Mモードは一か所での信号を時間的に連続して記録したものです。主に心臓の検査で使用されています。

救急車がそばを通ると、近づいてくるときはサイレンの音が高く聞こえ、去っていくときは低く聞こえます。これは、音波が縮められたり、引き伸ばされたりするためで、ドップラー効果と呼ばれます。ドップラー効果は対象物の速度の影響を受けるため、ドップラー効果を解析することで対象物の速度もわかります。超音波検査でもドップラー効果を利用しています。例えば、血液に超音波を当てて反射波のドップラーを解析することで血球の向かう方向や流速がわかります。超音波検査では通常パルス波と呼ばれる音波を使用していますので、対象の距離も情報として得られます。したがって、どの位置の血液がどの方向にどれくらい動いているかを二次元的に表示することもできます。その結果をカラーで表現し、Bモード画像に重ねると血液の流れがよく分かります。これは、カラー・ドップラー法と呼ばれています。 また、ある部位での流速をパルスドップラーを使用して測定することもできます。ただし、パルスドップラー法では比較的浅い部位の遅い速度しか測定できません。連続波ドップラーを使用すれば、かなりの距離と速度を計測することができます。しかし、連続波ドップラー法では距離分解能がないので、正確な場所の特定ができなくなります。

上野循環器科・内科医院 上野一弘

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