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聴診器

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月報 「聴診器」 2013/10

月報 「聴診器」 2013/10/01

NHKの連続ドラマ「あまちゃん」が終わってしまいましたね。楽しげなオープニング。なつかしい80年代の音楽と風景。震災の傷と復興。エンディングでは久しぶりにドラマで涙を流してしまいました。お昼の楽しみがなくなってさみしい限りです。

 

17   心エコー③ 心エコーで心臓病をみる(心筋梗塞 大動脈弁狭窄症)

前回は心エコーでどのように心臓が見えるかを説明しました。今回から各疾患ごとに説明しましょう。

ⅰ)心筋梗塞。心筋梗塞は冠動脈がつまって、心臓の一部が動かなくなる病気です。心エコーではそのまま、心臓の一部が収縮しない様子が観察できます。急性期には頻回にエコー検査は行います。まず、来院時に診断のために心エコーは必ず取ります。今は、ほとんどの症例で緊急時のカテーテル検査が行われ、血流の再開が行われます。血流の再開が結果として心臓の回復につながったかどうかは日々心エコーを行うことで評価されます。また、急性期には、心不全や血栓症などの合併症のチェックも行います。特に注意したいのは、心破裂と心室中隔穿孔です。心筋梗塞を起こした心筋は脆弱なため破けてしまい、心破裂を起こします。心破裂を起こせば、心拍出量が急激に低下します。また、心臓の外に血液がたまり心臓を圧迫します。ほとんどの場合で亡くなりますが、緊急手術で救命できるときもあります。心エコーでは心筋の破裂部位や心臓の外へ向かう血流などはほとんどわかりません。心臓の外にたまった血液が観察できれば心破裂と診断します。心筋が左心室と右心室の間で破ければ心室中隔穿孔が起こります。心破裂と同様に急激に血行動態が悪化し生命の危機を招きます。心エコーでは左室から右室に向かう不自然な血流が観察できます。

慢性期でも心エコー検査は必要です。血行再建術をした症例では数か月間の経過で心筋の動きが徐々に良くなってきます。逆に、動きの悪い部位がだんだん悪化してくるケースもあります。これは、リモデリングと呼ばれ、心不全悪化の要因になります。動きの悪い部位が大きいと、そこに血栓を作る場合もあります。適宜、心エコーを行い治療方針の検討を行っています。

ⅱ)大動脈弁狭窄症。心エコーが最も力を発揮するのが弁膜症の検査でしょう。大動脈弁は左心室と大動脈の間にある弁で、3つの弁尖から構成されています。血液が左心室から大動脈に流れる収縮期には大動脈弁は開放し、拡張期には大動脈弁は閉じて大動脈から左心室への逆流を防止しています。大動脈弁狭窄症は収縮期に大動脈弁が十分に開かない病気です。心エコーでは大動脈弁が硬くなり、収縮期に弁が開かないのが観察されます。異常な構造物がついてないか、弁の先天的な異常はないか、などを念頭において観察をします。できれば、開放時の弁口面積も計測します。ドップラーで血液の流れも観察します。流速を測定すれば弁前後での圧較差や弁口面積を求めることができます。心臓全体の観察も重要です。肺高血圧の合併があるか、左室収縮は保たれているかは必ずチェックします。

圧格差が高いほど、弁口面積が狭いほど重症で、手術の検討対象となります。もっとも重要なのが左心室機能です。左心室機能が低下していたり、心不全症状があれば重症と判断します。

ほかの疾患は来月に続きます。

上野循環器科・内科医院 上野一弘

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