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聴診器

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月報 「聴診器」 2015/11

月報 「聴診器」 2015/11/01

10月24日と25日に、黒崎で日本心臓リハビリテーション学会九州地方会が行われました。当院でもたびたびお世話になっているJCHO九州病院の折口先生が会長でした。開会式に引き続いてシンポジムが行われ、当院の看護師の那須さんが講演を行いました。診療所での心リハ施設の経験について話してもらいました。とても好評で、大きな拍手をいただきました。

20 狭心症2 ⑤狭心症の治療 カテーテル治療

狭心症の治療は、薬物治療、カテーテルでの治療、バイパス手術と分かれますが、現在はカテーテル治療がその主流となっています。

カテーテル治療は、カテーテルという細い管を血管に挿入して行われます。基本は細い風船を使用することです。診断時に使用したものよりさらに細く、やわらかいガイドワイヤーを使用します。このワイヤーを冠動脈の狭窄部に通過させます。細長い風船をワイヤーに沿わせて病変部に到達させ、風船のなかに造影剤を入れて広げます。圧力をかけて風船を膨らましますので、冠動脈の狭窄部を無理やり広げられます。何回か風船を広げて造影を行い、満足する形になったら風船を抜いて終了です。

風船治療を行うとしばらくは症状もなく過ごせます。しかし、3割程度では冠動脈が再び狭くなることがわかってきました。そこで登場したのがステントです。ステントは金網でできた細長い筒状の構造物です。先ほどの風船にくっつけて病変部に運ばれます。風船が縮んでいるときはステントも細くなっていますが、風船が広がるとステントも広がります。風船を縮めて抜いた後でも、ステントは金属でできているので、広がったままです。ステントの広がり具合は造影所見で判断することが多いのですが、最近では血管内エコーでステントと血管の密着具合を確認することも多いようです。ステント導入で再狭窄率は2割程度に改善しました。

それでも再狭窄はありましたので、薬剤コーティングステントが登場しました。再狭窄は冠動脈内皮の過剰増殖が主体といわれています。その増殖を抑える薬剤をステントにしみこませたものです。この新しいステントによって再狭窄は1割を切るようになりました。薬剤コーティングステントが出た当初は血栓や通過性の問題がありましたが、改良を重ねられています。

それでも、すべての症例で再狭窄がないわけでもありません。血栓についても依然大きな問題で、ステントを入れた方は、血栓予防薬を生涯のみ続ける必要があります。これはステントという異物が生体内にあるために起きる問題です。そこで、ステントそのものを消してしまおうとの試みがあり、最近、生体吸ステントが使われ始めました。生体吸収素材でステントを作り、それに再狭窄予防薬をコーティングしています。病変部へはこれまでのステントと同じように配置され、風船で拡張します。ステントも拡張し、再狭窄を防ぎます。再狭窄予防薬をしみこませていますので、内皮細胞の過剰増殖は抑えられます。増殖時期が落ち着いたころには、ステント本体は溶けて吸収されてしまいます。ステント自体がなくなるのでの、遠隔期の血栓形成の可能性は低くなります。使われ始めたばかりなので、狙い通りうまくいくかどうかは未知数です。

狭窄病変が長く、石灰化が強い場合にはダイアモンドドリルで血管を削ることもあります。ある程度開通した後にステントを留置します。

上野循環器科・内科医院 上野一弘

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