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聴診器

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月報 「聴診器」 2016/03

月報 「聴診器」 2016/03/01

先日、電気会社の方が訪問されました。電気料金の契約を変更したら電気代が安くなるとの話でした。九電からの依頼で訪問しているそうです。この会社の特殊な機器をつけると、リース代も含め今よりお得になるとのことで、すぐに契約書を書いてハンコを押すように言われました。感じの良い青年が丁寧に説明してくれました。すぐにハンコを押すのは抵抗があったので、妻に相談すると「怪しいから調べたほうがいいよ」と言われました。確かに、調べると九電とは全く関係ない会社で、古典的な詐欺の手口らしいです。恥ずかしながら、あまり疑っていませんでした。

詐欺にはいろんな手口がありますね。親切そうな顔をしてうまい話をしてくるときは警戒しないとだめですね。

21 心筋梗塞2 ②心筋梗塞の検査

激しい胸の痛みや失神があれば心筋梗塞を疑って検査をします。心電図は必ず行う検査です。典型的には心筋梗塞を発症すると「ST変化」という所見を認めます。心電図は心房波と心室波で構成されます。波形にはそれぞれ名前が付けられています。心室波はQRSというスパイク状の部分とその後のST部分があります。心筋梗塞を発症するとまずはこのST部分で変化を認めます。多くの症例ではSTが上昇しますが、病変部によってはSTが低下することもあります。ST変化の誘導を見ると心臓のどの部分で心筋梗塞が起きているかをある程度推測することもできます。Q波を認めることもあります。これは心筋梗塞を発症して時間がたつと出てくる異常波形です。例えば心筋梗塞を発症して数日たって来院された場合はQ波を認めます。以前に心筋梗塞を起こした方が、再度心筋梗塞を発症した場合でもQ波を認めることがあります。不整脈の合併も心電図でチェックをします。心筋梗塞を起こすと心筋が不安定になり不整脈が出やすくなります。心室頻拍症など致死性不整脈が出ることも珍しくありません。下壁心筋梗塞では房室ブロックという、脈が異常に遅くなる不整脈が出ることもあります。

胸部レントゲン写真では心筋梗塞特有の変化はありません。ただし、心不全の合併のチェックをする必要があるので必ず行う検査です。また、同じように激しい胸痛を伴う疾患、例えば大動脈瘤や気胸を除外する意味でも必要な検査です。

心エコーでは、心筋梗塞を起こした部位の収縮低下を認めます。動かない部位の広さや合併症をチェックします。動かない部位が大きいと血流が滞り、左心室内に血栓ができることがあります。心筋梗塞の範囲が乳頭筋に及べば、重度の僧房弁閉鎖不全症を合併することがあります。心筋梗塞を起こすと心筋が非常に柔らかくなってしまいます。外側の心筋が崩れて穴が開けば心破裂を起こします。左心室と右心室の間の心筋が破ければ、心室中隔穿孔となります。心エコーでカラードップラーを使用するとこうした合併症がわかります。

採血検査も行います。GOT GPT LDH CPKなどの心筋逸脱酵素が高値になります。これらの酵素は本来心筋内にあるのですが、心筋梗塞を起こすと心筋が溶けて、血中に出てくるのです。急性期には心筋トロポニンTという酵素が上昇しますので、これをスクリーニングに使用しています。また、肺塞栓や大動脈瘤などの、やはり激しい胸痛を伴う致命的な病気のチェックのために、D-ダイマーという血栓のマーカーも測定します。

上野循環器科・内科医院 上野一弘

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