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月報「聴診器」10月号発行しました!

月報 「聴診器」 2020/10/01

今夏のいわゆる新型コロナウイルス感染第二波も何とか収束に向かっています。心配したGo toトラベルの影響もあまりなかったようです。「三密を避ける」「会話時はマスクをする」の単純な感染対策が有効なのでしょう。一方、いまだにホームパーティーでクラスターが発生している事例もあり、簡単なことができない人がいるのも事実でしょう。東京での感染者数も下げ止まり感があり、予断を許せません。

医療界では、今冬の新型コロナウイルス感染症とインフルエンザのダブル流行を恐れています。当院でもできるだけ多くの方にインフルエンザワクチンを接種しようと思っていましたが、十分な数のワクチンが確保できませんでした。何とか希望者分のワクチンを確保すべく、働きかけてはいますが、見通しは良くありません。多くの患者さんを失望させてしまい、誠に申し訳なく感じています。

新型コロナウイルス感染症もインフルエンザも感染対策は同じです。家族以外の人との会食は避け、手をよく洗うようにしましょう。

 

27 高血圧2-新しい治療法

前回までは高血圧の治療の主役である降圧薬について説明をしてきました。非薬物療法については、2月の「聴診器」ですこし触れています。腎動脈狭窄に対するカテーテル治療と腎血管周囲の交感神経に対するアブレーションです。二つとも、当初は注目された治療でしたが、その後の大規模な研究では効果が否定されてしまいました。

この二つのほかに、降圧薬を使用しない治療が研究されています。一つは、ワクチン療法です。以前に、血圧を上げる「アンギオテンシンII」というホルモンを説明したことがあります。このアンギオテンシンIIに対する抗体を作り、アンギオテンシンの働きを抑えれば、血圧が下がるという考えです。動物実験では効果が確かめられており、様々な国で開発が進められていましたが、なかなか実用化されませんでした。大阪大学では、アンギオテンシンIIに似たたんぱく質を合成し、これに免疫反応を活性化するものをくっつけたワクチンを作るのに成功しています。このワクチンを打つと免疫細胞が反応して、アンギオテンシンIIに対する抗体を産生します。抗体は、アンギオテンシンIIにくっついて、その昇圧作用を阻害します。結果的に血圧が下がることになります。ワクチンによる血圧治療は、投与すると数年間効果が続くため、薬の飲み忘れを心配しなくてよくなりますし、コスト面でのメリットも期待されています。現在、臨床試験中で結果が待たれています。なお、このワクチンの作成にかかわったアンジェスという会社は、新型コロナウイルスのワクチンを開発中でもあります。

電気刺激を使用する方法も研究されています。首の血管には圧受容体というものがあって、血圧を生理的に測定し、自律神経の調節にかかわっています。ここを電気で刺激すると体が「あー血圧が上がったー」と勘違いしてしまいます。すると、副交感神経が優位になり血圧が下がるという狙いです。少数の試験では効果が確認されていますが、副作用の問題もあり、検討中になっています。頸動脈の電気刺激以外にも、内頚動脈をステントで拡張する方法、脊髄に電気刺激を行う方法、頸動脈小体を焼く方法なども検討されています。

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

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