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月報「聴診器」2月号発行しました!

月報 「聴診器」 2020/02/01
中国武漢を発生源とする新型コロナウイルスによる肺炎が急速な広がりを見せています。新しい感染症なので特性も治療法もまだわかっていません。1月終わりの時点で分かっていることは、①感染力は比較的強い、②感染しても症状を有しない場合がある、③死亡率は2%程度、です。日本ではまだ流行とは言えない段階で、福岡では感染は確認されていないようです。しかし、これまでの経過からは、福岡で感染者が出るのも時間の問題でしょう。
大切なのは、基本的な感染対策をすることです。飛沫感染ですので手洗いはこまめにすることが重要です。アルコールスプレーなどの保清グッズも有効と思います。過労や喫煙は避け、体調を整えることも大事です。どの感染症もそうですが、調子が悪くなれば、まずは自宅でよく寝るのが得策です。現段階では、早期の検査も、治療薬もありませんので、早めに受診しても役に立つことはありません。
中国に渡航路歴があったり、渡航歴のある人と長時間過ごした人で症状がある場合には保健所に相談することがよいと思います(tel:0940-36-2045)。

27 高血圧2-④
前回は、腎臓と血圧の関係を話しました。今回は腎臓にまつわる高血圧治療の話です。
高血圧の原因疾患の一つに腎動脈狭窄症があります。動脈硬化などの理由で腎動脈が狭くなることがあります。すると、腎臓への血流が乏しくなります。腎臓は血流が減っているので「ヤバイ!血圧が下がっている。何とかしなきゃ!」と勘違いをしてしまいます。腎臓は血圧を維持するために、血圧を上げるホルモンを増やします。結果的に血圧がどんどん上がってしまいます。
腎動脈狭窄は、カテーテルで拡げることができます。腎動脈狭窄を解除すると、腎血流が回復し、腎臓もほっと一息つきます。昇圧ホルモンの増産をやめて、血圧も下がってきます。このため、重症の高血圧や若年者の高血圧ではエコーやCTで腎動脈狭窄をチェックしていました。・・というのは、少し前の話です。ここ数年の研究では、腎動脈狭窄症にたいするカテーテル治療はメリットがないと報告されています。がっかりする話ですが、かなり大規模で厳正な研究がいくつか同じような結果を報告しているので納得するしかないでしょう。それでも、腎不全が悪化する症例や薬物治療が困難な症例には、腎動脈拡張は行われています。
腎臓の血管の周囲には交感神経という自律神経が集まっています。交感神経は血圧や脈拍をあげる神経で、主に活動時に活性化します。しかし過度に交感神経が興奮すると高血圧になったり、心臓の障害が出たりします。交感神経を抑制する薬は心不全や降圧薬として利用されています。10年前ごろからはカテーテルによる手術で交感神経を抑制する方法が提唱されました。これは、カテーテルで腎動脈の周囲を焼灼し、物理的に交感神経にダメージを与える方法です。腎デナベーションと呼ばれます。当初は、重症高血圧に対して行われ優れた成績が得られ、期待が高まりました。最近の研究では、カテーテルを入れて実際に焼灼をした群と、焼灼したふりをした群での比較試験が行われました。この試験では、両者に差がなく、初期の治療成績はプラセボ効果によるものと結論付けられました。この結果を受けて、腎デナベーションへの期待は一気にしぼみ、研究開発から手を引く施設も増えました。僕の友人は、この研究を行っていますが、彼は期待を捨ててはいないようです。「焼灼の仕方が悪いんだ」と言って新たな方法で研究を進めています。
上野循環器科・内科医院  上野一弘

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