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聴診器

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月報「聴診器」2005/2

月報 「聴診器」 2005/2/4

寒くなりました。風邪も、心配ですが、道路の凍結による転倒も心配ですね。皆様、充分、注意してください。

 

3.心筋梗塞④ 心筋梗塞の治療

以前は、急性心筋梗塞の死亡率は40%程度といわれていました。今でも死亡率は10%程度あり、やはり恐ろしい病気なのですが、昔に比べて治療が格段に進歩しています。

心筋梗塞は心臓の栄養血管(冠動脈)が詰まり、心臓の一部が死んでしまう病気です。このため、急激に心臓の力が弱まり、体が維持できなくなってくることがあります。これが、心不全です。心不全が急激に進めば、体中の臓器が障害を受け、死に至るときもあります。また、心筋梗塞の急性期では、心臓の筋肉の一部が弱くなっていますので、そこが破けるときがあります。心破裂です。心破裂が起これば、心臓は血液を送り出せなくなり、死亡します。心臓の一部が動かなくなれば、不整脈も起こりやすくなります。特に、心筋梗塞の急性期では、心室細動や心室頻拍症などの致死性不整脈がよく出現します。この、心不全、心破裂、致死性不整脈が心筋梗塞急性期の死亡原因の大多数を占めます。

急性心筋梗塞の治療の第一は、これらの合併症による死亡を減らすことです。様々なモニターで心臓を見張り、心不全が進行しないように強心剤や利尿剤を使用したり、心破裂が起きないように血圧をコントロールしたり、致死性不整脈が起こればすぐに電気ショック(徐細動といいます)をかけたりします。これには、24時間体制の管理が必要でした。そこで、30年ほど前から、急性心筋梗塞を集中的に治療しようとの試みが始まりました。急性期の治療を集中的に行うことによって、効率よく人員を活用することが出来たのです。いわゆる、CCU(Coronary Care Unit)です。CCUの誕生によって、急性心筋梗塞の治療は目覚しく進歩し、死亡率の減少をもたらしました。

また、心筋梗塞の重症度そのものを改善させる治療も始まりました。心筋梗塞の重症度は動かなくなった心筋の量に比例しますが、心臓の筋肉は血管が詰まってもすぐにすべてが壊死に陥るわけではありません。じわじわ、6時間ほどかけてすべての壊死が完成するのです。したがって、血管が詰まってすぐに、詰まったところを治療して、血流が戻れば、壊死する心筋は少なくなります。これは、血行再建術と呼ばれ、手術による方法とカテーテルによる方法があります。いずれの方法でも、急性心筋梗塞の救命率を劇的に改善し、慢性期の生命予後も改善させています。

現在では、心筋梗塞と診断されれば、専門病院にすぐに搬送し、早急に冠動脈造影を行います。手や足から細長い管を入れて、心臓の栄養血管(冠動脈)を撮影する検査です。この検査によって、どの冠動脈のどの部分が詰まっているかがわかれば、血栓を溶かすなどして、つまりを取り除きます。ただし、この治療の効果があるのは発症して6時間以内といわれています。なにか怪しい症状があれば、すぐに最寄りの医療機関を受診してください。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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