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聴診器

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月報「聴診器」2005/3

月報 「聴診器」 2005/3/1

3.心筋梗塞⑤ 心筋梗塞の治療 血行再建術

前回は、心筋梗塞の治療について書きました。急性心筋梗塞の治療では、安静、合併症の予防に加えて、早期の血行再建術が重要となっています。今回は、特にこの血行再建術について説明します。

動脈硬化で狭くなった血管に血栓が詰まると、血流が途絶え心筋梗塞を発症します。急性心筋梗塞と診断がつけば、なるべく早く、冠動脈造影を行います。この時点で、どの血管がどのように詰まっているかがわかります。閉塞部位や血栓の様子によって次のような方法で血行を再建します。

ⅰ)PTCA :血行再建術の基本です。細い管(カテーテル)の中に、さらに細い管を入れます。その管の先には、直径3mm程度の細長い風船が付いています。最初は風船をしぼませたまま、冠動脈に入れて、閉塞部を通過させます。閉塞部に風船が来たら、圧力をかけて風船を広げます。その後、風船をしぼませて、病変部から抜くと、狭かった血管が広がり、良好な血流が得られます。

 

ⅱ)ステント挿入 :ただ風船を入れて膨らますだけでは、十分に血管が拡張しないことがあります。そのような時は、ステントを挿入します。ステントは金属の網を筒状にしたものです。これを縮めた状態で、しぼませた風船の上にのせて冠動脈に入れます。風船の外側にステントがある状態です。これを、病変部に挿入し、風船を膨らませると、ステントも拡張し冠動脈に密着します。風船をしぼませても、ステントは拡張したまま血管を縮むのを押さえつけています。こうして、より確実に血管を拡張することが出来るのです。

 

ⅲ)PTCR:これは、前の2つと異なり、血栓を治療の標的とした方法です。カテーテルから血栓を溶かす薬をゆっくり流して、閉塞した血管を再疎通させる方法です。

 

ⅳ)PIT:血栓溶解療法のひとつです。冠動脈造影で多量の血栓を認めた場合は、このPIT という方法で血栓を溶かします。これは、横に穴がたくさん空いた、細い管を血栓の中に入れる方法です。管が血栓の中に入ったら、高圧で血栓溶解薬を注入します。血栓は溶解剤のシャワーを中から浴びるため、容易に解けてしまいます。

 

ⅴ)血栓吸引術:多量の血栓がある場合には、血栓吸引術を行うこともあります。これは、細い管を冠動脈に入れて、ゆっくり血栓を吸い込む方法です。

 

冠動脈造影をみて、どの方法が適しているかを専門医が考えますが、実際には、これらの方法を組み合わせて、血行再建を目指します。発症して短時間で、血行再建術が成功すれば、劇的に病態の改善が得られ、生命予後も良くなります。しかし、長時間経過してしまえば、血行再建術の恩恵も限られてきます。早めの受診、迅速な診断が大事です。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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