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月報「聴診器」8月号発行しました!

月報 「聴診器」 2021/8/01

新型コロナウイルスワクチンの接種がさらに加速しているようです。政府の目標だった一日100万回を上回り、多い日は一日150万回に達するそうです。当院でも7月までに約800人の方に接種をすることができました。結構大変でしたけど、接種の際には多くの方にねぎらいの言葉をかけていただき元気が出ました。ありがとうございます。宗像市でも予定通りに順調に接種回数を重ねているそうですが、比較的若い世代の接種希望者が予想より少ないそうです。δ株による第5波では40代でも重症化する症例が多くなっているそうです。できるだけ多くの人にワクチンを接種してほしいと思っています。

毎年夏には、ヨーロッパで欧州心臓病学会(European society of cardiology; ESC)が開催されます。世界最大の学術集会の一つですが、今回、僕の演題が採択されました。コロナ禍のため「パリで世界中の医師を相手に講演!」というわけにはいかず、Webでの発表になりますがとても嬉しいです。

 

28 糖尿病2 ⑥糖尿病の治療 薬物-3 新規糖尿病治療薬

前回まで糖尿病の治療薬について説明しました。今回は、最近使われるようになった薬について説明します。

  • GLP-1受容体作動薬:食事をすると小腸からインクレチンというホルモンが分泌されます。インクレチンは膵臓に作用してインスリンを出させたり、血糖を上げるホルモンのグルカンゴンの分泌を抑制したりします。結果的に血糖を下げることができます。GLP-1受容体作動薬はこのインクレチンと同じような作用を持つ薬です。単独で使用する場合には、低血糖の危険性が少ないのが特徴です。また、食欲を抑制するので体重減少にもつながります。循環器とのかかわりでも注目されている薬です。これまでの多くの抗糖尿病薬では、微小血管合併症を減らすことはできても、狭心症などの心血管合併症を減らすことができませんでした。しかし、このGLP-1受容体作動薬では、動脈硬化進展抑制効果が期待でき、大規模臨床試験でも心血管合併症を減らすことが報告されています。また、海外では非糖尿病肥満患者に対しても使用が試みられています。当初は、毎日自己注射するタイプしかありませんでしたが、最近は週に一回投与するタイプや、飲み薬のタイプも発売されています。
  • DPP4阻害薬:上記のインクレチンはDPP4という酵素で分解されます。このDPP4を阻害する薬を使うと、インクレチンが増加し、血糖が下がります。DPP4阻害薬もGLP-1受容体作動薬と同じように低血糖の危険性が低い薬です。一方、GLP-1受容体作動薬のような心血管合併症の抑制は報告されていません。
  • SGLT2阻害薬:糖は腎臓で一回尿に排泄された後再吸収されています。SGLT2阻害薬はこの糖の再吸収を抑える薬です。過剰な糖を尿糖として排泄する作用があります。そのため尿量が増えたり尿路感染症になる可能性が高くなります。一方、低血糖の危険性が少なく、体重減少作用も期待できます。また、心臓や腎臓の保護作用が確認されています。この心臓と腎臓への保護作用は、非糖尿病患者でも確認されており、今後の適応拡大が期待されている薬です。

 

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

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