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聴診器

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月報 「聴診器」 2010/04

月報 「聴診器」 2010/04/01

前回告白しました検査値の異常は、徐々に良くなってきました。食事制限がよかったようです。しかし、食事制限を続けるのは、つらいですね。僕の目の前で、アイスクリームをパクパク食べる妻と子供たちが憎らしくなりました。

 

12 血管病変 ①大動脈瘤

今回から血管病変について説明していきます。これまで、心臓の冠動脈や脳血管の病気については説明してきました。ただし、血管は全身に広がっていますので、どの部位血管でも病気が起こり得ます。まずは、大動脈病変について説明していきます。

大動脈は胸からお腹まで、体の中心を走っている2cm程度の太い血管です。血液は心臓から大動脈に送り出された後に、いろいろな血管からそれぞれの臓器に到達します。社会の物流に例えると、大動脈は高速道路や国道のようなものです。したがって、大動脈で病変がおこれば、全身に影響し、死に至ることもあります。大動脈の病気で代表的なのは動脈瘤です。動脈がこぶのように膨れてしまう病気です。こぶができた場所によって「胸部大動脈瘤」や「腹部大動脈瘤」と呼ばれます。動脈にこぶができれば、こぶの中で血が固まったり、こぶが他の臓器を圧迫したりします。ただし、動脈瘤の最大の問題は、こぶの破裂です。動脈のこぶの壁は薄くなっているので、非常に破れやすくなっています。こぶは、大きくなればなるほど破れやすくなってきます。こぶが破れれば、多量に出血をして死に至ります。また、胸部大動脈瘤が破裂すれば肺の周りに血液がたまって肺を圧迫します。心臓のすぐそばの動脈瘤が破裂すれば、心臓の周りに血液がたまり、心臓を圧迫します。これは、心タンポナーデと呼ばれる状態です。こういった場合には、すぐに手術などをする必要があります。一般に、こぶが心臓に近ければ近いほど、重症度は増します。

動脈瘤の原因は、動脈硬化によるものが多数を占めます。感染症や先天性の病気でも動脈瘤を起こしますが、非常にまれです。大動脈瘤は破裂するまでは、基本的に症状はありません。胸部大動脈瘤は胸部レントゲンで見つかることがあります。お腹を診察した際に、拍動を強く感じて見つかることもあります。CTや心エコーなどでほかの部位の検査をしているときに、偶然見つかることもあります。

動脈瘤が大きくて破裂の危険性がある場合は手術をして、血管を取り換える必要があります。ただし、この手術は大手術になりますので、かなりの危険性が伴います。あまりに年齢が高い場合や、合併症が多い場合は手術ができないこともあります。最近では、ステントという金網を入れる手術も行われるようになっています。

動脈瘤があまり大きくない場合や、大きくても手術ができない場合は血圧のコントロールを行うこととなります。血圧が低いほうが破裂の危険性が減るためです。目標値は通常より低めの120/80mmhg以下を目指します。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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