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聴診器

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月報 「聴診器」 2011/11

月報 「聴診器」 2011/11/01

ついこの間まで、「暑い暑い」と言っていた気がしますが、もうすぐ冬の気配ですね。朝晩は驚くほど冷えますね。我が家の犬は、寒いのが苦手なので全然外で遊ばなくなりました。育て方が、過保護だったのではと反省しています。

 

13 検査 ⑪内視鏡

僕も時々、人間ドックで検査をしますが、やっぱり憂鬱なのは「胃カメラ」ですよね。必要とはわかっていても、あの気持ち悪さは慣れることができません。

「胃カメラ」は上部消化管内視鏡検査の俗称です。内視鏡は、光学機器を体内に挿入し、画像を撮影する検査です。剣を飲む大道芸人に望遠鏡のような「硬性胃鏡」を挿入して胃を観察したのが始まりといわれています。今のようなぐにゃぐにゃ曲がる内視鏡は日本の東京大学とオリンパスが開発したものです。吉村昭の「光る壁面」のモデルでも有名ですね。当初はファイバーの先端に撮影カメラが付いた構造でした。1960年代になると光ファイバーを利用して手元で画像を見ながらファイバーを操作できるようになります。その後、ビデオスコープが開発されます。ビデオスコープは先端に小さなビデオカメラを付け、電気信号に変えてファイバーの手元に画像を送るシステムです。大きな画像で見ながら操作でき、術者だけでなく周りのスタッフも、患者さん自身もリアルタイムで画像を見ることができます。ファイバーもより細くなり、今では鼻からファイバーを挿入することもできるようになりました。

内視鏡は様々な形で発展をしています。まず、胃以外にも挿入できるようになりました。大腸ファイバーや気管支鏡検査はごく普通に行われています。耳鼻科では日常診療で短い内視鏡を使用します。泌尿器科では膀胱内視鏡、婦人科では子宮の観察に使用されています。前回説明したように血管内視鏡も開発されています。

より詳しい検査や治療もできるようになっています。内視鏡の先端に超音波検査装置を付けたものがあります。超音波内視鏡と呼ばれます。内視鏡では表面の病変しかわかりませんが、超音波内視鏡を使用すると病変の奥の様子まで観察できます。内視鏡の横に小さな穴を作り利用することもできます。鉗子という組織をとってくる部品を入れ、病変部を採取することもできます。液体を吸引して性状を調べることもできます。止血クリップを使えば、胃潰瘍の出血を止めることもできます。この延長でポリープや早期胃がんの治療ができます。細い針金をわっかにして病変をくびり、電気を通して焼切るとポリープを切除できます。

近年では内視鏡をお腹や胸に挿入して手術をするようになっています。腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術と呼ばれます。大きく切開する方法よりも傷が少なくて済み、術後の回復も早いそうです。また直視下では見にくい場所の手術もやりやすくなったそうです。頭蓋内鏡を使用した手術ではこれまで取れなかった血腫や腫瘍の切除もできるようになったそうです。

カプセル内視鏡も最近の話題になっています。カプセル内視鏡は消化管に入ると撮影を行い、画像を電波にして体外に送ります。電波は体に装着した受信機でキャッチしたのち画像化されます。もちろん、体外に排出されたカプセルは再利用されません。非常に負担の少ない方法ですが、操作性や画質の面ではファイバーに劣ります。しかし、いつの日か技術開発が実を結び、カプセル内視鏡がスタンダードになる日が来ると思います。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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