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月報 「聴診器」 2014/12

月報 「聴診器」 2014/12/01

天気予報では今年の冬は比較的暖かだそうです。僕は寒いのが苦手なのでほっとしています。天気予報が当たればいいですね。今年もそろそろ終わりを迎えます。いろんなことがあった一年でしたが、皆様にとってはいかがだったでしょうか?僕は、よかったこと、悪かったことがありましたが、よかったことだけを覚えておくつもりです。

18 生活習慣 ⑩運動不足と病気 認知症など

認知症は病型が多数あり、その原因も複合的といわれています。認知症を引き起こす単一の原因を特定することは困難です。しかし、運動不足も原因の一つかもしれません。

認知症の病型では脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症が多くを占めています。脳血管性認知症は脳の血流が低下し脳細胞が死滅することで引き起こされる認知症です。おおざっぱに言えば、脳梗塞による認知症ととらえてもらってよいと思います。脳梗塞の原因は脳の血管自体が原因のものと、心臓が原因でおこるものがあります。前者は血管の動脈硬化が進んだ結果起こってしまう脳梗塞です。動脈硬化が進めば、血管が細くなり、少しのはずみで血管が詰まってしまいます。血管が詰まると脳細胞に栄養や酸素が供給されず、脳細胞が死滅してしまいます。死んだ脳細胞が右手を動かす機能をつかさどっていたならば右手が動かなくなり、左手を動かす機能をつかさどっていたならば左手が動かなくなります。このようにして、脳梗塞で麻痺はおきますが、死んだ脳細胞が担っていた機能によっては様々な症状を呈します。しゃべりにくくなったり視野の一部が見えなくなったりします。記憶や計算をする機能を担っていた脳細胞が死んでしまえば認知症を呈するようになります。動脈硬化の進行は年齢が一番の要因です。促進因子としては、たばこ、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症があります。運動不足は直接的にも動脈硬化促進に働きますし、糖尿病や高コレステロール血症の悪化を通じて間接的にも動脈硬化を促進させます。

心房細動という不整脈があると心臓に血栓を作りやすくなります。できてしまった血栓が脳の血管に飛んでいくと、血管を詰めてしまい血流が途絶します。心源性脳梗塞はこのようにして発症します。心房細動があればすべての人が脳梗塞を起こすわけではありませんが、年に10%程度の確率で発症するといわれています。予防のためには血液がさらさらする薬(抗凝固薬)を服用するのが一番ですが、詰まりやすくなる要素をコントロールすることも大事です。血栓ができやすくなる要素としては、年齢、高血圧、糖尿病、脳梗塞既往があります。このうち、運動不足では高血圧と糖尿病の因子を悪化させます。

アルツハイマー型認知症ではどうでしょう。アルツハイマー病は脳にアミロイドタンパクというゴミがたまってきて脳細胞が正常には働かなくなる病気です。なぜ、アミロイドが沈着するのかはっきりしたことはわかっていませんが、疫学調査では危険要因がいくつかわかってきています。久山町研究という九大が行っている大規模な疫学調査があります。久山町の住民に協力していただき、血圧や生活習慣などと、疾病の発生を調査している研究です。この研究では、運動不足や耐糖能異常がアルツハイマー型認知症の発生と関連があるとわかりました。アメリカ国立衛生研究所では、認知症予防のために禁煙などとともに運動習慣を続けることが奨励されています。日本では厚労省のアクティブガイドで10%程度の運動増加が奨励されています。

上野循環器科・内科医院 上野一弘

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