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聴診器

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月報 「聴診器」 2007/3

月報 「聴診器」 2007/3/1

 

花粉症の季節になりましたね。今年は花粉の飛散量は少ないといわれていましたが、症状の激しい方が多いようです。症状軽減のための基本は、花粉を身につけないようにすることです。たとえば、服装は毛の立ったものは避けて、表面が滑らかなものの方が良いでしょう。帽子をかぶって外出するのも効果があるようです。うがい、手洗い、洗顔はインフルエンザの予防もかねてお勧めです。

 

8 高血圧②

前回から高血圧の話を始めていますが、ところで血圧って何でしょう?血圧は一般に動脈の圧力をさしています。血液が動脈壁を押している圧力のことです。動脈を切った場合、血が激しく噴出します。黒澤明の映画で、決闘で血が高く噴出すシーンがありますが、あれを想像してください。この血液が噴出す高さは血圧に比例します。血圧が高ければ、血液はより高く噴出します。血圧が高い場合には、高い圧力で動脈の血管が押されているわけです。

血圧は、心臓から送られる血液の量(心拍出量)と血管の硬さ(血管抵抗)で決まります。電圧と抵抗と電流の関係(オームの法則)とおなじですね。心臓の動きが正常の場合、心拍出量は全身の血液量で決まります。たとえば、多量に出血をして、血液量が減ると急激に血圧が下がります。逆に過剰に塩分を投与すると、血液量が増え血圧が上がります。血管抵抗は抹消の血管抵抗がそのほとんどを占めます。たとえば、敗血症という病気では末梢血管が細菌の毒で開いてしまい、末梢血管抵抗が低くなり、血圧が下がってしまいます(いわゆる敗血症ショックです)。

塩分の過剰摂取によって血圧が高くなれば、動脈硬化が進み、血管抵抗が高くなってきます。すると、さらに血圧が上がっていく悪循環に陥ってきます。血圧が高い状態が続くと、血管に細かい傷がついてきます。この細かい傷に反応して、動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりします。これが動脈硬化です。動脈硬化が進んだ血管では、血管が狭くなり、血流不足が起こります。これが心臓の結果に起これば狭心症になります。動脈硬化を起した血管の内面は血液が引っかかりやすくなり、詰まることもあります。これが、脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。また、動脈硬化が進んだ血管では血管が膨れたり、破れやすくなったりもします。脳出血や動脈瘤の原因になるわけです。

血圧の影響は、血管だけに出るものではありません。高い血圧が続けば心臓に負担がかかり、心不全を起します。腎臓でも、機能が低下し透析が必要になることもあります。網膜がだめになって、失明することもあります。ただし、これらの合併症はかなり進行してからしか症状がでません。症状の無いうちに、予兆を見つけ、的確な降圧をすることが大切です。

 

 

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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