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聴診器

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月報「聴診器」11月号発行しました!

月報 「聴診器」 2022/11/01

新型コロナウイルスの感染者はずいぶん減ってきましたが、ここにきて下げ止まりから緩やかな上昇に転じているように見えます。第8波は予想よりも早いのかもしれません。悲観的な予想では第8波は第7波と同等かそれ以上の感染者になると言われています。第7波に襲われた7、8月では日本の超過死亡数がかなりの数になったことが注目されています。新型コロナウイルス感染による死亡だけでなく、医療の手が回らずに亡くなってしまった他の救急疾患も含まれているだろうと推測されています。第8波による被害をできるだけ減らすためにはできるだけ多くに人に新型コロナウイルスワクチンの追加接種をしてもらうことです。11月は当院でも新型コロナウイルスワクチンの接種ができます。予約はコールセンターを介してのみになります。直接は予約できませんので留意ください。

 

30 脳卒中2 ⑥検査

現代では、脳卒中の診断には画像検査が必須になっています。今回は代表的なものをいくつか説明します。

CT:脳の検査の代表です。一般に「頭の検査」と言えばこれを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。CTはレントゲン検査の一種です。あらゆる方向からX線を照射し、コンピューターでどの場所がどれぐらいのX線透過度かを計算し、画像にあらわします。人体の断面図を見れるのでとても便利です。脳出血を起こせば、出血はCT画像では白く写ります。また、血腫が脳を圧迫している様子も分かります。これで、脳出血の有無、重症度などが分かります。脳梗塞の場合、発症してすぐにはCT画像には写りません。発症後しばらくすると黒っぽく見えるようになります。CTしかない施設では、脳卒中を疑いCTを撮った際に、脳出血や腫瘍がなければ脳梗塞急性期と判断しているそうです。

MRI:CTと同じように体の断面が見られる検査です。一般には「CTの進化版」のように思われていますが原理が全く異なります。すべての物質は原子から成り立っていますが、原子には小さい磁石のような性質があります。MRIでは強力な磁石を使用して水分子の磁性を操作します。物質によって中にある水分子への影響が異なるので、これを画像にしたものがMRI画像です。難しいですね。CTと比べると、組織の質的な差が分かりやすい利点があります。このため、脳出血の急性期だけでなく、脳梗塞の急性期も診断できます。ただし、単純にCTよりMRIが素晴らしいわけでなく、撮影時間や空間分解能においてはCTのほうが勝っています。また、CTよりもMRIのほうがかなり高価なので持っている施設も限られてきます。

血管造影:脳卒中は脳の血管の病気です。治療するときに脳の血管の情報が必要な時もあり、血管造影検査をする場合があります。検査では、カテーテルという細い管を足の付け根から挿入し、脳の血管に到達させ、造影剤を流し込みます。この検査でどの血管が詰まっているか、どこに動脈瘤があるかが分かります。最近ではCTやMRIでも血管の様子が分かるようになってきています。

超音波検査:脳卒中の分野でも超音波検査をする場合があります。経食道心エコーでは普通の心エコーでは見えにくい左心房を詳しく見ることができます。心源性脳塞栓の時には左心房に血栓を見つけることができます。頸動脈エコーでは頸動脈の狭窄度がわかります。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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