• お気軽にご来院・ご相談ください。
  • FAX:0940-33-3614
  • 福岡県宗像市須恵1丁目16-19

聴診器

choushinki

MENU

月報「聴診器」12月号発行しました!

月報 「聴診器」 2021/12/01

新型コロナウイルス感染症は引き続き減少したままです。世界中で感染者が増えている中での日本の状況は驚くべきことと思います。皆さんの一人一人の行動が正しかったためだと思います。しかしながら、日本も年明けには第6波が来ると予想されています。基本的な感染対策を継続していきましょう。

新型コロナウイルスワクチン3回目接種について質問を受けることが多くなってきました。まだまだ、不明なことも多いのですが、とりあえず①2回目接種後8ヶ月以上の人から接種。②対象者には順に3回目接種券が郵送される。③接種は個別接種と集団接種で行う。④ワクチンはファイザーかモデルナを使用する。ことは決まっているようです。当院では、3回目ワクチンの予約は市のコールセンターを経由する形にしようかと思っています。

 

29 脂質異常症2 ②動脈硬化とは?

前回から脂質異常症について説明しています。脂質異常症とはLDLコレステロールが増えたり、中性脂肪が増えたりする病気です。ただし、脂質異常症だけでは症状は何もありません。よく、「コレステロールが高くなると、血液がドロドロになって頭が重くなる。肩こりがする。」といいますが、そんなことはありません。これは、健康食品屋さんが作った宣伝文句です。血管が詰まったり破けたりするまでは症状はありません。脂質異常症では全身の血管に動脈硬化が進みます。動脈硬化が進めば狭心症や脳梗塞を起こし、この時点で初めて症状が出ます。

肝臓から血液に放出されたコレステロールは、LDLコレステロールの形で末梢の血管まで届けられます。そこで臓器に取り込まれホルモンや細胞構造の部品になります。血管に届けられるLDLコレステロールが多すぎると、LDLコレステロールは血管壁にもぐりこみます。血管は水道管のような構造をしていますが、その壁は内側から内皮、平滑筋、外膜の三層で構成されています。LDLコレステロールはこの内皮に取り込まれます。ここで、マクロファージという白血球の仲間がやってきます。マクロファージはLDLコレステロールをどんどん食べます。LDLコレステロールをたっぷり食べてパンパンに太ったマクロファージはそのまま、血管内皮で死にます。すると、血管内皮の中にコレステロールの塊が出来ることになります。これを繰り返していくと、血管壁に柔らかいぶつぶつが出来るようになります。このぶつぶつはお粥の粒のようにみえるので「粥状動脈硬化」と呼ばれます。このぶつぶつは時間とともに大きくなっていきます。大きくなったぶつぶつを、僕たちは「プラーク」と呼んでいます。プラークが血管の大半を占めるようになると、血流が悪くなります。例えば、心臓の栄養血管(冠動脈)で動脈硬化が進行し血管が狭くなると、狭心症を発症します。

プラークの中は脂が詰まっています。急な血圧の上昇など血管にストレスがかかると、このプラークが破けます。プラークが破けると、脂と血液が直接触れ血液の塊が出来ます。血液は、血管以外のもの触れると固まる性質があるのです。この血液の塊を血栓と呼びます。血栓が血管を閉塞すると、そこから先に血液が行かなくなります。これが、心臓に起これば心筋梗塞であり、脳に起これば脳梗塞になります。

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

発熱や風邪症状のある方は、来院前に電話でご連絡をお願いします。

お電話
WEB予約