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聴診器

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月報「聴診器」12月号発行しました!

月報 「聴診器」 2020/12/01

新型コロナウイルス感染症は第三波が到来しています。冬であることや皆の危機意識の低下を考えると、第三波は長く厳しいものになると思われます。福岡県は増加傾向にあるものの、他地域に比べれば比較的落ち着いています。しかし、人出の多さを見ていると遠からず福岡も大波に飲み込まれるのではないかと危惧しています。

11月からは「発熱患者に対応する検査・診療医療機関」制度が開始されました。これまで新型コロナウイルス感染疑い患者さんの対応は帰国者接触者外来で行ってきましたが、今後は「発熱患者に対応する検査・診療医療機関」がその任務を負うことになります。熱があるときの受診方法も変わります。これまでは、相談センターに電話をしていましたが、今後はかかりつけ医が窓口になります。宗像市では20医療機関が「発熱患者に対応する検査・診療医療機関」となっていますが、これは全国平均よりも多い状況です。もちろん、当院も「発熱患者に対応する検査・診療医療機関」となりました。当院では4月から仮診察小屋を設置し、発熱外来や検査を行ってきましたので、皆さんにとってはあまり変化がないかも知れません。行政がやっと当院に追いついた状況です。

 

27 高血圧2-検査

高血圧症の合併症の一つに動脈硬化があります。血管は血液を送る管で、水道管のように全身にくまなく広がっています。血管の壁にコレステロールなどが積もってくると、血管が硬くなったり、もろくなったりします。また、血管の壁が肥厚してきますので血管が詰まったりもします。動脈硬化が心臓の栄養血管(冠動脈)で起これば狭心症や心筋梗塞を起こします。脳の血管に動脈硬化が起これば、脳梗塞や脳血管性認知症を起こします。大動脈に動脈硬化が進むと動脈が腫れたり裂けたりする、大動脈瘤となります。この動脈硬化の進行は一方通行で、動脈硬化が進めば二度と正常な血管には戻りません。ただし、動脈硬化は特定の人に起こるわけではなく、人類すべてに起こります。いわば、血管の老化現象です。年とともに動脈硬化は進みますが、その進むスピードが人によって異なります。30代で血管がボロボロになっている人もいれば、90歳でも比較的若々しい血管を保っている人がいます。動脈硬化を進ませる要因には喫煙、糖尿病、コレステロール、遺伝などがありますが、高血圧も重要な要素の一つです。

動脈硬化の検査としては当院では二つの検査を行っています。一つは脈波測定です。手足の血圧と心電図を同時に測定することで、血管の硬さと血管のつまり具合を見ることが出来ます。血管の硬さはCAVIという指標であらわされます。一般に9以上で「硬い」と表現しますが、年齢との比較が大切です。血管の詰まり具合はABIという指標であらわされます。ABIが0.8以下では下半身の血管が狭いと考えます。

もう一つは、頸部血管エコーです。超音波を使って、首の血管を画像で見る検査です。血管そのものを見ながら、血管の壁の厚さを測ります。時々、血管の壁が小さな山のように盛り上がっていることもあります。これは、プラークと呼ばれ、動脈硬化がかなり進んだ結果です。プラークのある症例では、厳格に血圧やコレステロールを下げる必要があります。あまりにプラークが大きすぎて、血管が詰まりそうな場合には、ステント治療を行う場合もあります。

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

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