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月報「聴診器」3月号発行しました!

月報 「聴診器」 2021/3/01

新型コロナウイルスワクチン接種が徐々に具体化しています。基礎疾患をお持ちの方には、積極的な接種を勧めます。はじめは、ファイザー製ワクチンになる見込みです。このワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンという全く新しい種類のワクチンです。新型コロナウイルスはスパイク蛋白を介して人体に感染します。mRNAワクチンはこのスパイク蛋白のmRNAをカプセルに包んだものです。このカプセルが細胞に取り込まれスパイク蛋白が産生されます。産生されたスパイク蛋白は細胞外に放出されますが、生体の免疫がこれに反応し抗スパイク蛋白抗体を作ります。抗体は、スパイク蛋白を無効化して感染力を失わせます。なお、取り込まれたmRNAは核内には入らず速やかに分解されます。これまでの成績では、このワクチンの効果は高く副作用が少ないことが分かっています。もっとも、長期的な影響については全く分かっていません。

住民接種は5月ごろから始まると思います。接種対象者には、市からクーポン券が発送されます。接種場所は集団接種と個別接種になります。当院でも接種を行うことになりますが、日程が決まってから予約受付を開始します。事前の確保は行いませんのでご了承ください。今回のワクチンは保管が難しく数も限られているため、接種日時を確定しての予約しか受け付けられません。「そのうち打つから、自分の分を確保しておいてほしい」などの要望は、お断りさせていただきます。

 

28 糖尿病2 ③糖尿病のタイプ

(1)I型糖尿病。

以前はIDDM(Insulin Dependent Diabetes Mellitus)と呼ばれていました。日本語では「インスリン依存性糖尿病」との意味です。これは、膵臓からインスリンが出なくなる病気です。膵臓にはランゲルハンス島とういう組織があり、そこにはβ細胞というものがあります。このβ細胞からインスリンは出ていますが、I型糖尿病ではβ細胞を攻撃するような抗体を自分の体がつくり出してしまいます。このため、インスリンが出なくなり血糖値が上昇します。治療にはインスリンが不可欠なので「インスリン依存性」と呼ばれていました。I型糖尿病は、若年者に多く、生活習慣に関係なく、ある日突然発症します。

(2)II型糖尿病。

以前はNIDDM(Non-Insulin Dependent Diabetes Mellitus)と呼ばれていました。日本語では「非インスリン依存性糖尿病」との意味です。I型糖尿病がインスリンの絶対的不足によって引き起こされるのに対して、II型糖尿病はインスリンの相対的不足によって引き起こされます。カロリーが体内に取り込まれ血糖値が上昇し始めると、インスリンが分泌されて血糖値が正常化します。しかし、正常の膵臓でもインスリンの分泌能力には限界があるので、過食などにより多すぎるカロリーが体内に入り、インスリンの処理能力を上回ってしまうと、血糖値が異常に上昇します。血糖値の上昇が続けば、高血糖によりインスリンの効きが弱くなったり、インスリンの分泌が低下したりします。このため、更に血糖値は上がり病態を悪化させていきます。病因としては、遺伝的背景の影響もありますが、主たるものは過食や運動不足による生活習慣の悪化です

(3)続発性糖尿病。

ほかの病気や、薬によって引き起こされる糖尿病です。クッシング病や重症膵炎などが代表的です。ステロイドホルモンを多量に長期間摂取すると糖尿病を発症しやすくなります。

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

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