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聴診器

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月報「聴診器」3月号発行しました!

月報 「聴診器」 2024/03/01

昨年10月ごろから感染症が多い状態が続いていました。COVID-19だけでなく、インフルエンザなどほかの感染症も多く、学級閉鎖の報告も続いていました。しかし、最近ようやく発熱で受診する方が減ってきたように思えます。県全体でもCOVID-19の報告が減ってきているそうです。

COVID-19は当初と異なり、軽症者がほとんどを占めるようになりました。ウイルス自体の弱毒化だけでなく、ワクチン接種がいきわたったのが主たる要因と言われています。逆に、今でも重症化し入院が必要なる方は、ワクチンを打っていないケースや免疫抑制剤の影響で抗体が産生されにくい人が多いそうです。

 

32 検査2 超音波検査② 腹部エコー 血管エコー

当院では心エコー以外にも腹部エコーや血管エコーを行っています。腹部エコーでは肝臓、膵臓、腎臓などを観察することができます。ただし、おなかにガスが多かったりすると見えない部分もあるので、怪しいときにはCTで確認をすることになります。

高コレステロール血症、高血圧、糖尿病、喫煙などは動脈硬化を進行させ心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。ただし、同じような血圧や血糖値でも動脈硬化が進んでいる人もいればそうでない人もいます。動脈硬化が進行しやすいタイプなのかそうではないのかは、心筋梗塞や脳梗塞を発症するまで分かりません。そこで、頸動脈をエコーで観察して動脈硬化の進行具合を見ることで、間接的にリスクを評価することができます。首にエコーを当てると頸動脈が観察でき、血管の内腔や壁の厚さが分かります。血管の壁の厚さを測ることで動脈硬化の程度を推察します。動脈硬化が進行するにつれて動脈の壁が厚くなり、さらに進行した場合ではプラークという脂の塊が見られます。頸動脈の動脈硬化が進行している例では、全身の動脈も動脈硬化が進行していると予想できますので、治療目標も厳しく行う必要があります。時々、プラークが大きくなり血管が詰まりそうになっていることがありますが、狭くなっているだけでは本人は何の症状もありません。高度狭窄が疑われる場合は、専門医を紹介しステントで血管を拡げる手術を検討してもらっています。

エコーでは他の部位の血管も観察できます。深部静脈血栓症では足の静脈に血液の塊が詰まり足が浮腫むことがあります。心不全などでも足は浮腫みますが、片足だけ浮腫む場合には深部静脈血栓症を強く疑います。下肢静脈エコーを行えば静脈に詰まった血栓やその末梢静脈が拡張しているのを観察できます。

腹部エコーでは肝臓などの臓器だけでなく、大動脈などの血管を観察することができます。症状がなくても、他の目的で腹部エコーを行った際に偶発的に大動脈瘤が見つかることもあります。大動脈から出てくる枝の血管も見ることができます。高血圧の原因の一つに、「腎動脈狭窄症」という病気があります。腎臓に行く動脈が細くなると、腎臓の血流が低下して腎臓が血圧を上げるホルモンを出し、血圧が上がってしまう病態です。エコーでは、腎動脈の血流を調べることができますが、腎動脈の狭窄が高度の場合は血流速度が速くなります。腎動脈狭窄が疑われればCTやMRIで精査をします。

他科では、乳がんの診断や筋断裂の診断にエコーを使用することもあります。骨折をエコーで診断できる医師もいるそうです。

        上野循環器科・内科医院  上野一弘

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