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月報「聴診器」8月号発行しました!

月報 「聴診器」 2020/08/01

新型コロナウイルス感染は北九州を中心とした小規模な流行はおさまりましたが、全国的な第二波が到来しています。いわゆる夜の街を震源とし、比較的若い層での感染の広がりが特徴と言われていますが、徐々に家庭内感染や高齢者への感染も増えてきています。7月終わりの時点では重症者は比較的少ないのですが、今後は重症者も増えてくると予想されます。

この感染者が増加している状況でも、会食を行う人が多く大変驚いています。新型コロナウイルス感染症は、唾を介して感染しますので、お互いにマスクをせずに飲食するのは大変リスクの高い行動です。通常の会話でも小さな飛沫が飛びますが、アルコールが入れば声も大きくなり飛沫の量も増えていきます。目には見えませんが、お互いに唾を掛け合っている状態です。僕が危惧しているのは、高齢の方の会食です。ご存知のように新型コロナウイルス感染症は、若年層にはそれほど危険な病気ではありませんが、高齢者では重症化や死亡が多いことが知られています。今、社会全体で感染を抑えようとしているのは高齢者のためです。医療現場も苦しみながら頑張っていますが、子供たちが暑い中マスクをしているのも、若者が飲みに行ってバッシングを受けているのも、高齢者を守るためです。その肝心の高齢者の方が、会食を行って感染のリスクを冒すことは、皆の努力を無駄にする行為だと思います。

新型コロナウイルスは無症状の段階から、ウイルスを排出し周りの人を感染させます。症状のある人はもちろん、症状のない人も飛沫に注意した行動をしましょう。

 

27 高血圧2-薬物治療アンギオテンシン変換酵素阻害薬、アンギオテンシン受容体拮抗薬

前回はカルシウム拮抗薬について説明しました。今回はアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)、アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)について説明します。

血圧は様々なホルモンでコントロールされています。そのうち、代表的なもののひとつがレニン・アンギオテンシン系です。レニンは主に腎臓で作られるホルモンです。これが、アンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンIに変えます。次にアンギオテンシン変換酵素(ACE)がアンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変えます。アンギオテンシンIIは直接血管を収縮させて血圧を上げますが、腎臓の細胞に働きアルドステロンというホルモンを増やします。アルドステロンは、腎臓での塩分と水分の再吸収を増加させ血圧を上げます。また、アンギオテンシンIIとアルドステロンは直接心臓や腎臓に作用し、臓器を障害します。

ACE阻害薬はアンギオテンシンIがアンギオテンシンIIになるのを抑え、血中のアンギオテンシンIIを減少させ血圧が下げます。ACE阻害薬は心不全の人の寿命を延ばすことが知られています。また、腎臓内の血圧を下げる作用が強いため、腎不全の予後改善効果も期待されています。したがって、心機能が低下している症例や高血圧性腎臓病がある場合には積極的に投与を検討します。ただし、血中カリウムが上昇したり、咳が出るなどの副作用があります。

ARBもやはりレニン・アンギオテンシン系を阻害する薬です。ARBはアンギオテンシンIIが血管や腎臓に作用するのを邪魔しますので血圧が下がります。ACE阻害薬と同様に、臓器保護作用がありますので心不全や腎不全の予後改善効果が期待できます。やはりカリウムが上昇するなどの副作用がありますが、咳の副作用はほとんどでないため、大変使いやすい薬となっています。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

 

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