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聴診器

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月報「聴診器」9月号発行しました!

月報 「聴診器」 2021/9/01

新型コロナウイルスワクチンは当院かかりつけの方の接種はほぼ終わりました。なかなか順番が来ずに不安になった方もいらっしゃると思いますが、皆様の協力で進めることができました。今後も接種は続けていきますが、宗像市のコールセンターを介しての予約だけになります。

インフルエンザワクチン接種について質問されることが増えてきましたが、まだ何も決まっていません。昨年は、新型コロナとインフルエンザの同時流行、いわゆるツインデミックを警戒した政府がインフルエンザワクチン接種を強く進め、非常に多くの方に接種を行いました。結果的には、昨シーズンのインフルエンザの流行はありませんでした。もっとも、インフルエンザワクチンの影響か、マスク生活が功を奏したのかは不明です。今シーズンもツインデミックは心配ですが、インフルエンザの流行については懐疑的な意見が多いようです。また、新型コロナウイルスワクチンも3回目接種が検討されているため、インフルエンザワクチン接種で当院のシュケジュールを埋めてしまうわけにはいかない事情もあります。今後の感染状況の見通しや行政の対応がはっきりするまで、インフルエンザワクチンについてはもうしばらくお待ちください。

 

28 糖尿病2 ⑦糖尿病と心臓 冠動脈疾患

糖尿病は、代謝内科という部門が専門に扱う病気です。しかし、僕をはじめ心臓専門医師の多くが糖尿病に関心を持っています。これは、糖尿病で心臓の合併が多いからです。

皆さんは、排水溝に油を流してしまったことがありますか?僕は鍋に入っていた油を間違えて流してしまったことがあります。すぐにはどうもなかったのですが、しばらくして水が流れなくなってしまいました。業者さんに調べてもらうと、変性した油が下水管の内壁にこびりついていました。大雑把に言えば動脈硬化はそんなイメージです。

糖尿病になると全身の血管の動脈硬化が進みます。これは多すぎる血糖が血管の内側の壁を傷つけるためと言われています。そのため、微細な炎症が起きたりコレステロールが血管壁に侵入したりします。そして、炎症細胞がLDLコレステロールを取り込み血管壁に沈着します。結果として、血管の内壁にぶつぶつや塊ができてきます。高血糖以外にもインスリン抵抗性や内臓脂肪など動脈硬化を進ませる状況が多いのが糖尿病の特徴でもあります。

糖尿病に高血圧や高コレステロール血症が合併するとさらに動脈硬化は進みます。もちろん心臓の周りの血管(冠動脈)にも動脈硬化が進みます。動脈硬化が進んで血管が狭くなると、血流が減ってしまいます。血流が減ると心臓の筋肉に十分な酸素と栄養が届かず、苦しくなってしまいます。これが狭心症です。動脈硬化がさらに進んで血管が詰まってしまうと、心臓の筋肉が壊死をしてしまいます。これが心筋梗塞です。糖尿病になると心筋梗塞の発症リスクは2-4倍になると言われます。

血管が詰まったり、狭くなってしまったときはカテーテルで広げたり、バイパス手術をして治療をします。しかし糖尿病が進んだ人の血管は独特で、あちこちの血管が狭くなっていて、かつ石のように固くなっていています。このため、血管がうまく拡がらなかったり、バイパスする先の血管が細すぎてなかなか吻合ができなかったりします。また、他の部位の血管も動脈硬化が進んでいて合併症も多くなります。

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

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