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聴診器

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月報「聴診器」9月号発行しました!

月報 「聴診器」 2022/09/01

新型コロナウイルス第7波は長く続きましたが、ようやく徐々に感染者数が減ってきているようです。ただし、感染者の主体が若年者から徐々に高齢者に移行したため死者数はこれまでで最高となりそうです。8月には近隣の病院でも感染者が多数発生し、心疾患など他疾患での入院も難しくなってしまいました。政府と行政が「行動抑制は求めない」と宣言した結果なので受け止めるしかありませんが、政治がこの現状を受け入れるように皆さんに説明してほしいところです。でも、わざわざ政治家が自分たちの責任をかぶりたがるとは思えませんね。冬には第8波が予想されていますので今から憂鬱です。

感染されているのは、①子供を介しての家庭内感染、②マスクを外しての飲食によるものが大半を占める印象です。皆さんもリスクの高い行動を回避することと積極的なワクチン接種を心がけてください。

 

30 脳卒中 ④脳梗塞

今回は脳梗塞について説明します。脳梗塞は脳の血管が詰まって脳細胞の一部が死んでしまう病気です。どこの部分の脳細胞が死ぬかによって症状が異なります。右手を動かす脳細胞が死んでしまえば、右手が動かなくなります。左手の感覚を感知する脳細胞が死んでしまえば左手の感覚が鈍くなります。

脳梗塞が麻痺として発症する場合は、片方の手足の麻痺がでます。右なら右手と右足が麻痺します。左なら左手と左足が麻痺します。左右同時に麻痺が出ることはほとんどありません。これは、脳の運動野で右の手を動かす場所と左手を動かす場所が離れているため、同時にダメージを受けることが少ないためです。逆に同側の手足を動かす神経細胞が近くに存在するので、同側の手足が同時に麻痺になることが多くなります。感覚障害の場合も同様に片方だけに出ますが、同側の口の周りの痺れを伴うことが多いようです。同側の手足の感覚をつかさどる神経細胞と、口の周りの感覚をつかさどる神経細胞が近くにあるためです。

言葉がうまく出なくなるのも、脳梗塞を疑う症状です。これには、発音が障害されてうまくしゃべれなくなる「構音障害」と、言葉そのものを思いつけない「失語」という状態があります。構音障害はしゃべる筋肉の麻痺によるもので、失語は運動性言語中枢の障害です。

食べ物がうまく飲み込めなくなる場合もあります。嚥下障害と呼ばれます。嚥下障害の問題は二つあります。一つは食事量が減るための栄養不足です。もう一つは、食べ物が食道ではなく気管に入ってしまう誤嚥です。誤嚥は肺炎を引き起こすため予後を悪化させる原因となります。

小脳に脳梗塞が起これば、ふらつきが出現します。ぐるぐる回るようなめまいよりも、ふわふわするようなめまいが多いようです。足をそろえて立てなくなったりもします。

珍しい症状もあります。後頭葉に脳梗塞が起きれば視野障害が出ます。これは、「右目が見えない」といったように、右目左目に起こるものではありません。右視野が障害を受けた場合には、右目の右視野と左目の右視野が見えなくなります。左視野障害であれば、両目の左視野が見えなくなります。認知症として脳梗塞が発症する場合もあります。脳血管性認知症と呼ばれます。あちこちに、小さな脳梗塞が沢山ある場合になりやすいようです。

 上野循環器科・内科医院  上野一弘

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