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聴診器

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月報 「聴診器」 2007/4

月報 「聴診器」 2007/4/1

 

今年は、思わぬ時期にインフルエンザが流行して大変でしたね。だいぶん下火になってきましたが、まだまだ完全には沈静化していないようです。十分に気をつけてください。

 

8 高血圧③ 高血圧と心臓

血圧が高い状態が続くと様々な臓器が障害を受けます。脳、血管、心臓、目、腎臓などがダメになってしまいます。まず、心臓について考えてみましょう。心臓は体中に血液を送っている大切な臓器です。心臓は筋肉で出来た袋になっていますが、心臓自ら収縮して血管に血液を送っています。このとき、心臓は血管の抵抗に対抗する形で血液を押し出しています。高血圧の人では血管の圧力が高いため、心臓は強い力で血液を押さなくてはなりません。また、循環血漿量が増えていますので、一回に沢山の量の血液を送り出さなければなりません。このため、高血圧症の初期では、少し心臓が大きくなってきます。普通、心臓の内径は男性で45-50mmぐらい、女性で40-45mmぐらいです。それが、5-10mmほど大きくなります。強い力で押し続けているため、心臓の筋肉が痛んできます。心臓の筋肉が痛んでくると、まず心臓が硬くなってきます。心臓は血液を送り出している臓器ですが、全身からの血液が流れ込む臓器でもあります。心臓が硬くなれば、血液が帰ってきにくくなり、少しの負担で体がむくんだり、息切れがしたりするようになります。更に高い血圧が続けば心臓の筋肉が厚くなってきます。正常では心臓の筋肉は8-10mm程度の厚さですが、15-25mm程度になってしまいます。心臓の筋肉が厚くなると、更に心臓が硬くなります。また、心臓の中での電気の流れがおかしくなり不整脈がおきやすくなったりします。その後、心臓の収縮が徐々に衰えてきます。心臓の収縮が衰えてくると、心臓は更に拡張してきます。さらに、全身に必要とされる血液が送れなくなってしまい、慢性心不全となります。慢性心不全になると、歩いたり階段を登ったりすると息苦しくなるため、ゆっくりしか動けなってしまいます。また、肺がむくみやすくなるため、夜中に胸が圧迫されるようになったりもします。ここまでくると、予後は非常に悪く、5年後の生存率は、肺癌よりも悪いといわれます。

また、心臓の栄養血管である冠動脈も血圧の影響でボロボロになっていきます。高血圧では動脈硬化が進行するため、冠動脈のあちこちが細くなってしまいます。冠動脈が非常に細くなれば、労作時に十分な血液を送ることが出来なくなり狭心症を起します。血管が詰まってしまえば、心臓の筋肉に血液が流れなくなり心筋梗塞を起します。心筋梗塞が起これば、さらに心機能が悪化し、予後が悪くなってしまいます。

高血圧による心臓の障害は一方通行です。いったん悪くなった心臓はなかなか元に戻りません。しかし、心臓の障害はかなりすすまないと自覚症状が出現しないため、どうしても遅れがちになってしまいます。このため、定期的に心エコーや心臓のホルモン(BNP)を測定する必要があります。

 

 

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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