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聴診器

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月報 「聴診器」 2012/10

月報 「聴診器」 2012/10/01

夏が過ぎたら、急に涼しくなってきました。朝晩は寒いくらいですね。風邪で受診する人も急に増えた感じがします。

インフルエンザの予防接種を10月中旬から行う予定です。早い時間は込み合いますので、申し訳ありませんが11時から接種をさせていただくつもりです。予約制ですので希望の方はスタッフに声をかけてください。

 

16 不整脈2 ①正常の心臓

平成16年からこの「聴診器」は書き始めました。病気や医学のことをできるだけわかりやすく説明できたらいいなと思っての試みでした。8年たって僕の分野のことはだいたい書いた気がします。ただし、今初めのことを読み返してみると、書き足りてないことも多々あるようです。今回からは以前に書いた内容をセルフカバーしてみようと思います。最初は不整脈の話です。

正常の心臓は胸の真ん中に位置しています。こぶしぐらいの大きさでやや左に傾いています。上部は背側に位置し食道と接しています。下部は前方にせり出しています。胸骨のやや左側に拍動をふれることができます。右心房、左心房、右心室、左心室の4つの部屋に分かれています。足や腹部からの血液は体幹背側やや右よりの下大静脈をとおって右心房に流れます。頭や腕の血液は胸部背側やや右にある上大静脈をとおって右心房に注がれます。血液は右心房から右心室へ運ばれ肺動脈をとおって肺で酸素をもらいます。その後、肺静脈から左心房に入り左心室から全身に血液が送られます。この流れで分かるように、右心房と左心房は心室に血液を送り込む補助的な役割しか果たしていません。血行動態的に主たるものは心室です、さらに言えば、肺循環と体循環では負荷量が大きく異なりますので、心臓のかなめは左心室といえます。現に、心房が停止してもそれ程大事には至りません。また、特殊な手術で右心室を飛ばしても生命の維持は可能とわかっています。逆に左心室が止まれば、心房が動いていても死亡します。

心臓は全体してみれば筋肉でできた袋になっています。筋肉は電気が流れると収縮します。心臓では規則的に電気が流れることで、正常な心拍を刻んでいます。右心房の上部に「洞」と呼ばれる部位があります。この洞に、自律的に放電をする細胞群があります。これは「洞結節」と呼ばれます。洞結節で放電が起これば電気は心房壁を伝わり、右心房と左心房に流れます。ここで心房が収縮をします。しかし、心房と心室の間には絶縁体が挟まっており、直接心筋を通じて心房と心室の間に電気は流れません。心房と心室の間には「房室結節」という中継点があり、ここをとおって電気は心室に伝わります。房室結節からはプルキンエ繊維という電線のようなものが数本出ており、電気はまずここを流れます。その後、ほぼ同時に心筋に電気が流れ心室が収縮します。電気は洞結節>>心房筋>>房室結節>>プルキンエ繊維>>心室筋と流れていきます。洞結節は定期的に放電をしていますので、心臓は心房>>心室の順に規則正しく収縮をしています。

洞結節は固有のリズムで放電をしています。しかし、自律神経やホルモン、薬物などもリズムに影響を与えます。緊張したり、運動をすると交感神経が高まり放電のリズムが速くなります。逆に安静時や睡眠中はリズムは遅くなります。大きく息を吸って止めたり、顔を水につけてもリズムは遅くなります。

上野循環器科・内科医院  上野一弘

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