9月9日は救急の日、ということで、当院は毎年9月に救急訓練を行っています。
毎年、心臓マッサージの練習と、具体的な場面を想定したシナリオを作り、実際の動きのシミュレーションをします。
今年は新型コロナワクチンの接種開始前にも、ワクチンによるアナフィラキシーショックを想定した訓練をしました。
その際に気管内挿管を行う場面も取り入れたのですが、アナフィラキシー対応の全体の大まかな流れを把握する程度だったので、今回は気管内挿管の手技をきちんと確認する目的で行うこととなりました。
今回のシナリオは、
体動時の息切れと倦怠感を主訴に妻と一緒に来院した、初診の高齢患者さん。
来院時より酸素飽和度が低下しており、心不全増悪を疑い心電図やレントゲンの検査をするも、
発熱があり新型コロナ感染も疑われる。
隔離して対応中、徐々に呼吸状態が悪化、気管内挿管までを要した。
という想定の下、ダミーの人形を使い、実際の器具を使用しました。
前回のアナフィラキシー対応の訓練の後に新たに購入した、ビデオ喉頭鏡も実際に使ってみました。
ICU勤務経験があり、今でもACLSという二次心肺蘇生法の研修を定期的に受講しているスタッフが中心になって行いました。
病棟勤務していた頃とは手技も道具も変わっていたり、そもそも忘れていることが多かったり、やってみたら思い出してくることもあったりと、色々と新しい発見がありました。
また、新型コロナウイルス感染が否定できない中で、感染対策を取りながらの救急処置には、様々な課題も浮き彫りになりました。
当院ではこれまでに気管内挿管までに至ったことはありませんが、いつかは起きることかもしれません。
これからも、いつ誰でも気管内挿管を行えるよう、最新の知識と道具を常に更新しながら、どんな状況にも対応できる準備を行っていきたいと思います。
上野循環器科・内科医院
看護師 中島